ワークマンはなぜ2倍売れたのか その4
では土屋哲雄氏。ワークマンに入って2年後本格的に動き出します。
「中期業態変革ビジョン」
というのを打ち出します。
さすが元三井物産経営企画室出身ですね・・・。
それは、3か条からなります。簡単に言うと、「アメとムチ」の戦略です。
- 社員一人当たりの時価総額を上場小売企業でナンバーワンに
- 新業態の開発
- 5年で社員年数を100万円ベースアップ
どうでしょう?
これ聞いて社員はやる気出ますね。「上場小売企業でナンバーワン!」
と聞いた瞬間、あのユニクロに勝つことを意味しますし、
何より年収100万円アップしてくれるのですからね。
アメをくれる代わりに、それでどうやってそれを達成するかが、
2.新業態の開発 なのです。これはまさに「ムチ」です。2種類あります。
①「客層拡大」で新業態へ向かう。
②「データ経営」で新業態を運営する準備をする。
「データ経営」とは三井物産でコンサルタントまで勤め上げた
方ですからね。これはお手の物です。これは後述しますが、
まず、「新業態開発」。
実はそれまで、ワークマンは効率経営を重視して
「在庫を持つことをタブー視」していたのです。
そのため、作業服専門店なのに、作業服のプライベート・ブランド(PB)は
なかったのです。
まず手始めに作業服のPBを会長に内緒で50万着製造。
初めて在庫を持つという「パンドラの箱」を開けます。
これが予想以上に売れて、ついに一般向けのPB開発に着手します。
それまでワークマンの作業服とは職人が着るものがほとんどでしたから、
申し訳ないですが、かなり「ダサイ」のですね。
吉幾三のCM見てもそう感じませんか?
職人さんですから、別にファッショナブルでなくてよかったからなのです。
この土屋哲雄氏は略歴からアパレルには門外漢ですね。
それでどうしたかというと、これは面白かったですね。参考になりますよ。
そこで社長自ら
「24時間着用宣言」
自宅でも上着から下着までワークマン。
もちろん会社でも背広を止めてワークマンです。
これは、「ユニクロ」を意識しているのは間違いないです。
でも不思議ですよね。自分の会社の商品を着ることが
恥ずかしいと思ったらおしまいですからね。
徐々に社内の雰囲気が変えてゆきます。
そこで2016年以降
スポーツウエアの「ファインドアウト」、アウトドアの「フィールドコア」、
防水ウエアの「イージス」という3つのPBを立ち上げます。
それでもそれほど売れなかった・・・。
そこで土屋哲雄氏は、とうとう「売り方が悪い」ということに
気が付いたのです・・・。
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