起業家の勇気 その7
2006年(平成18年)はUSENにとっては、つかの間の「天国」の
時代だったのでしょう。
USENの株価は1月に上場以来の高値3800円をつけ、3月にインテリジェンスと
学生援護会を合併し完全子会社化します。
同時に、USENの代名詞となった「Gyaoのモバイル版」の放送開始。
Gyaoの加入者は1000万人を超え、毎月100万人ペースで増えていきます。
さらに、この時三井住友銀行とゴールドマンサックスを主幹事とする
500億円のシンジケートローンを組みます。
しかし、これこそが、のちに大変な目にあわされたローンでした・・・。
本当に、宇野氏は本当にジェットコースターのような人生です。
その後Gyaoの業績低迷に加え、派遣業界に起こった「二重派遣問題」など
経営環境は急速に悪化します。
さらに冒頭申し上げた2008年のリーマンショック。
3800円あった株価はなんと200円に・・・。
ここでシンジケートローンの主幹事から強烈なゆさぶり。
「倒産させたうえでの再建」まで考えていたようです。
銀行の身勝手さを本当に思いますね・・・。
ここ読んで、「半沢直樹」の大和田常務をすぐ思い出しましたね。
三井住友銀行の大和田常務ならぬ「原田良輔常務」が実名で出ていました。
「借りた金を返さないのは泥棒だ」
とまで罵声を受けます。
さらに、ゴールドマンの小泉泰郎氏。
担当者を紹介するために原田常務にあいさつに行くと
「名刺を出す前に、お前のやることはまず土下座することだ」
本当に「半沢直樹」の大和田常務以上の憎らしさです・・・。
結局、宇野氏は退任させられます。
このあとUSEN-NEXTを上場させた後に2017年、
なんとUSENにTOBかけます。
辞めさせられた会社をまた買い戻すのですから、
これはすごいことです。
きっとそれだけ父親が作り上げたUSENに愛着があったことと、
銀行に対して心底「恨み骨髄」だったのでしょう。
「どこかであいつらを土下座させてやる・・・」
それぐらいの「覚悟」はないとベンチャー企業の社長はできないのでしょう。
でもこんな大変な時に、「トライアスロン」をやっていたとはさらに驚きです。
現在宇野氏は、傘下に18社を納める「USEN-NEXTホールディングス」
の代表取締役CEOです。
売上高1兆円を目指すと書いてありましたから、
どこかでそれを達成させて三井住友銀行にTOBを
かけるくらいの野心がきっとあるのでしょう!?
ただ、三井住友銀行の原田常務は、その後SMBC債権回収の社長になったようですが
もう退任してしまったのですね・・・残念。
しかし、こんな経営者が日本にいるのですね・・・。
「起業家の覚悟」をご理解いただけたでしょうか。
(コロナに負けるな! ガンバレ起業家シリーズ おしまい)
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