踊る町工場 その4
この風鈴見て驚きませんか。
実にきれいですね。
透き通るような「ヘアライン加工」という技法を用いているのですね。
どういうことかというと、金属の表面に髪の毛ほどの細かい傷を
つけて質感を強調しているのです。
自社製品開発にあたってアドバイスをいただいたデザイナーが
「商品開発にあたってはデザインの視点を持つこと」
と強調されていたからなのですね。
これなのですね。最近よく取り上げていますが、
まさに「デザイン経営」なのです。
経営者はこれからは「デザイン」の感覚が求められているのです。
能作は風鈴で大ヒットしたものそれだけで終わらなかったのです。
しかし、このあたりでしょうね。
「生みの苦しみ」をしたはずなのですが、さらっとしか書いてありません・・・。
実はここから食器生産にシフトするのです。
しかし、最初真鍮で食器を作ろうとしましたが、
これは食品衛生法上、食器としては使えないということが分かったのです。。
それで次に取り組んだのが「錫」でした。
でも「錫」はやわらないという欠点があったのです。
それで他の金属を混ぜて硬い合金にして使うのだそうです。
しかし、そういうメーカーは既に存在していたのです。
そこで能作社長はどうしたか?
「錫100%」の食器の開発に取り組んだのです。
ココですね。
「他の産地の邪魔をすることなく、能作の強みを具現化」
しようとしたのです。
ここに能作社長の素晴らしい「ベンチャー・スピリッツ」を
感じますね。
ただ「錫100%」の開発は苦労します。
やわらかさを補うために肉厚にしたそうですが、
これだと重くなってしまいます。
それと錫は金銀についで高価なので、体調に使うと高価になってしまうのですね。
そこで、デザイナーからのアドバイス。
「曲がるならまげて使えばいいのでは?」
弱みを強みに変える逆転の発想。
「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」
ではないですが
「曲がるなら 曲げて使おう すず食器」!?
そのヒントを得て、錫を「あえて曲げて」食器を作成。
これは仙台出身の女性デザイナーが七夕飾りをヒントに発案したそうです。
これ解説すると、右側は通常のカタチです。
これを左側のように手で曲げて使うのですね。
この発想が斬新だったわけです。
この「曲がるKAGO」が大ヒット!
これも「デザイン経営」!
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