タニタの働き方改革 その3
冒頭で申し上げた「消費税増税対策」のことをそろそろ
「種明かし」しておきましょうか。
実はこの本には「消費税のしの字」も書いてありません。
「どうして書かないのだろう?」
そこが不思議なのですが、
「働き方革命」=「従業員寄りの改革」
というスタンスを崩したくなかったのでしょうね。
では分かりやすく説明します。
仮に従業員10人に年間5000万円の給料を払っているとします。
これをすべて「個人事業主化」したら、つまり
給料5000万円を外注費5000万円としての支払に変えた場合、
会社の消費税はどうなるでしょうか。
消費税法上、給料は「不課税」として消費税は含まれないのです。
それを外注費としたら、「課税」という扱いになるのです。
つまり5000万円のうちに消費税は含まれると解釈されるのですね。
そうすると税込5000万円と判断され、計算すると
5000万円×10/110=454万円ほど控除されるということなのですね。
会社側は同じ5000万円を払っても外注費の方が消費税の支払いが減り
かなり得なのおです。ましては今や消費税10%時代ですからね。
でもこれ経営者なら知っている方も多いのですね。
給料として支払うと源泉所得税という税金を天引きしなければ
ならなくなるし、何より社会保険の加入義務も出ますからね。
外注費といった方が、当然有利なのです。
・・・というような説明はこの本には書いていないのですね。
この本を読んだ瞬間に普通の税理士なら、すぐこれに気が付くでしょうね。
そんなことは
「あったり前のクラッカー」
ですから・・・・(古い?)
税の実務ではこれは結構もめるのですね。
私もこの道20年。多くの経営者から
「外注費としておいて・・・」
何度言われたことなのでしょうか。
でもこのことも「当たり前に」国税庁も知っています。
実はこのことは消費税の実務上の取扱いを決めている「消費税基本通達」の
「いの一番」に書いてあることなのです。
消費税では一番有名な通達ですね。
ご紹介しておきましょう。
「消費税基本通達1-1-1」
具体的には4項目で判断されます。
(2)指揮監督をうけるかどうか
なんてどうやってクリアするのでしょうか?
(4)材料や用具等に関しては
「付箋や文房具などの文房具やパソコンは使えない」
ということも書いてありました。
個人事業主になったとたんに、会社のコピー用紙は使えない。
自前のパソコンを持ってくる・・・
結構不便なのですね・・・。
当然ですが、これをすべてクリアして「働き方革命」をタニタは起こしたのです・・・。
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