税のタブー その4
では具体的な事例紹介。
最高裁の決定以後、解釈が変わってきているのです。
「シングルマザーの弁護士が支払ったベビーシッター代は
経費になりますか?」
三木先生のご下問です。
聞いた瞬間に多くの税理士は
「そんなもの経費にならないよ。家事費だろ・・・。」
そう答えるでしょうね。
100人の税理士に聞いたら、たぶん95人はそうでしょう。
今まで頭にこびりついた「必要経費は直接関係あるもの」の
判断基準から、瞬時にそう答えてしまうのですね。
でも最高裁は、必要経費を「①売上原価等の直接経費と
②販売費等の間接経費等の業務について生じた費用」
としたのでしたね。
よって三木先生は、
「仕事のために必要であったベビーシッター代は当然経費」
であるとしています。
ただここで疑問なのは、「シングルマザー」と限定していますよね。
ということは、共稼ぎの弁護士だったらどうなるのでしょうか?
しかも、「ベビーシッター」と限定していますよね。「保育園代」では
ダメなのでしょうか?
安倍総理は「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げ、
女性が働き続けられる社会を目指しているでしたね。
税制もそれに伴って変わっていかないといけないと思うのです。
残念ながら、女性弁護士の顧問先はいないので、ベビーシッター代は
必要経費にして差し上げることはできません。
しかしもし課税庁がそれを経費否認したら、それこそ最高裁まで
争う女性弁護士もいるに違いないと思うのですね。
そういう女性弁護士こそ日弁連の副会長になっていただきたいですね・・・。
もう一つ必要経費で「作家の費用が一番難問」であると
三木先生は述べています。
「自分の私生活をつづったエッセイが売れてしまった場合、
何が取材費なのでしょうか?」
これ難しい問題ですね。
「この日々の生活を綴った本は、この一年間の私の生活に起こった出来事を
まとめたものだ。したがって、この一年間の私の生活そのもの、
つまり私の支出した金額はすべて必要経費なのである」
と三木先生は主張されるそうです・・・・。
作家でなくても、今や「有料ブロガー」も多いですからね。
結構稼いでいるらしいのですね。
また今流行のYouTuberなんかも億稼ぐ人も多いそうです。
最高裁の決定で税法の考え方が変わってしまったのです。
②販売費等の間接経費等の業務について生じた費用
とはどこまでを範囲とするものなのでしょうか・・・。
自分自身も難問を考えてみました。
「日本中のマラソン大会に出場して、それを有料ブログに上げて
本を出版した場合、その取材費、参加費、旅費、宿泊費は経費に
なるのでしょうか・・・?」
自分でもやって申告してみようかと。
否認されたら最高裁まで争いますね。
「吉田マラソン訴訟」として有名な判決になりますかね?
そうなると日税連の副会長位にはなれるかな・・・・??(まったくの冗談です)
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