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2019年8月 8日 (木)

末広がりのいい会社をつくる その7

いい老舗の考え方をもう少し詳しく説明すると、
2 安いというだけで仕入先を変えない。
3 人員整理をしない。
これがどういうことかというと、会社の内外に敵を作らない
ということなのです。
もっといえば「ファンを増やすということ」なのですね。
ここが塚越経営学の素晴らしいところです。


実は書きながら今まで取り上げてきた本を何度か
読み返しています。

先日弁当を毎日7万食販売している弁当屋さんのお話をしましたね。
こちら
正直見比べてしまいました。
「どっちが正しいのだろうか」と・・・。
弁当屋さんは、「毎日世界中から仕入先を変えている」と
書いてありましたから。
あそこの会社の経営方針は「お客様第一主義」。
伊那食品工業の「従業員の幸せ第一主義」経営とはまったく違いますね。
お客様に安く満足するお弁当を届けるために、一円でも
安い商品を常に仕入れるのです。

コロッケを一個25円で仕入れるように共同開発したと
書いてありましたが、もし他社から20円で仕入れることができたら、
ある日突然仕入先を変えてしまうのでしょうか。
一度に30万個仕入れると書いてありましたけど、
共同開発したメーカとしてはたまったものではないですね。
お米を毎日7万食分を仕入れ在庫を持たないそうですが、
今より安いコメを仕入れることが出来たら、
これもある日突然変えてしまうのでしょう。

でもお客様にとって安くて美味しい弁当が提供されるのはよいでしょうけど、
商売を長く続けていくには本当にそれが正しいのでしょうか。
これは正直悩んでしまいました・・・。
弁当屋の社長も正直に書いてありましたが、
「身に覚えのないクレームはしょっちゅうで、弁護士対応や
訴訟、労働問題などに大分詳しくなりました・・・」
会社が急成長するとそういうひずみが出てくるのでしょうね。
「三方よし」、「四方よし」というのは言うのは簡単ですが
実際に経営して難しいところなのでしょう。
敵を作らずファンを増やしていくのは至難の業ですから。

そういえば、弁当屋の社長も「当分上場はしない」と書いてありましたが、
そもそも「顧客第一主義」では上場できないのでしたね。
「会社は株主のもの」という考え方こそが上場ですから。

オーナーがもつ持ち株を巨万の富に変えるのが上場の効果ですから。
「会社は誰のものか」
という永遠のテーマを考えていたら、この猛暑の熱帯夜に本当に
眠れなくなりました・・・。

 

塚越氏の上場しない理由の根底には、「忘己利他」(もうこりた)という
考え方からくるものからだと書いてありました。

「自分の人生を大切に、幸せに生きたいならば、
我利ではなく、利他に徹しなさい」

もうこうなってくると「生き方」の問題なのですね・・・。

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