マツダ 心を燃やす逆転の経営 その5
この本で一番面白いと思ったのがこの「金太郎飴」。
お分かりになりますか?
解説してみましょう。
1980年代に時のマツダの経営者が
「トヨタ・日産に追いつき追い越せ」
として販売チャネルを増やし、販売台数倍増計画を
打ち出しましたね。
結果的に「売れない車」を量産し、この戦略は大失敗。
外資の傘下に入り、希望退職まで募り、事実上マツダは破たんしかかった訳です。
金井氏をはじめとする次の経営者達は賢かったのです。
「トヨタ・日産とは体力が違う。マツダらしい車を作ろう!」
そう考えた直したのですね。
このあたり中小企業の経営者には参考になりませんか?
しかも車という製造業はやはり普通のビジネスとは違うのです。
「企画から量産開始までの期間はだいたい3年。でもその際に
2つ先のモデルチェンジがあるとして9年先まで想定してやるべき」
金井氏の指示です。
それまでの経営者は
「走りながら考える」経営だったそうです。
何だかこの「走りながら考える」なんて、「行き当たりばったりの」中小企業では
結構ありがちですね・・・。(失礼!)
「違う車種同士の共通化を最初からスコープに入れて考える」
そうです。
どういうことかというと
この絵を見た方がもっと分かりやすいでしょうか。
これがマツダ車の「プラットフォーム」。
この上にエンジンが載り、サスペンションが付き、ピラーが
立ち、ボデーパネルが被せられるのです。
プラットフォームこそがまさにクルマの土台なのですね。
このプラットフォームを長期的な計画を基に設計しておけば
長期的な観点から無駄がでないのです。
つまり、異なる車種でも共通でいい「固定部分」と
クルマによって変えねばならない「変動部分」を分けることが
できるからです。
「金太郎飴」の意味が分かってきましたか・・・。
「マツダ地獄」を味わったときに、あらゆる「無駄」をやってきたからこそ
分かるのでしょう。
これはあらゆる業種業態でも通じるお話ではないでしょうか。
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