日本人の勝算 その3
40年後の日本は人口が3割も減り、デフレ・スパイラルで
企業間生き残り競争で日本の産業は崩壊する・・・。
そんな最悪なシナリオで驚かせてしまいましたね。
でもその当事者である日本で、そんな問題に真面目に取り組んでいる
研究者やエコノミストはあまりいないそうです。
世界的に見てみれば、日本のように高齢化と人口減少問題の「ダブル・パンチ」を
受けている国はないのですから、その研究をしてる学者も
エコノミストも世界には存在しないのは、想像つくはずです。
その当事者である日本自体に、そういう専門の研究者がいないことを
筆者は危惧しています。
例えば安倍内閣が、デフレ脱却を掲げアベノミクスを行いましたね。
その秘策としての大規模な金融緩和「黒田バツーカ」は
2%のインフレ目標が設定されていました。
でも5年経った今その目標値に達成していないのはなぜでしょう。
「インフレ率は金融政策だけでは決まらないというのが、
最近の経済学のトレンドになっているのは確かです。」
「日本の学者と民間エコノミストの多くは
考え方が古い。相変わらず人口は関係ないと言い張っている。」
実に手厳しいですね。
それと一方、政治家の方はどうかというと?
目先のことしか考えていないからなのです。
分かりやすく言うと、選挙演説の際に
「将来の子供たちのために政策でインフレに誘導します」
と演説するのと、
「豊かに老後を暮らすために物価を下げてデフレを維持します。」
と演説するのでは、選挙にどう効果があるかということなのですね。
政治家はあまねく「物価を下げます」というのです。
これについては、以前落合陽一氏の「日本進化論」で学びましたね。
こちら
これを
「シルバー民主主義」
というのでしたね。
有権者はほとんどが65歳以上の高齢者となった現在、
年金暮らしの方がより暮らしやすい政策を分かりやすく言った方が
当選しやすいからなのですね。
そういう政治家は、今生まれた赤ん坊の30年後、40年後は
考えていないのです。
次の総選挙に勝ちさえよいからなのですね。
先日有権者にうけを狙って「忖度をした・・・」などと発言した政治家と
一緒です。
どこを見て政治をしているかということなのです。
実は落合氏と著者はまったく同じことを言っています。
「65歳以上の高齢者は資産は持っていますが、収入は少ないので
デフレを好む傾向があります。」
「65歳以上の人口構成が上がるとインフレにつながる
政策を嫌がり、その政策を進めようとする政治家は選挙で
当選しにくくなるはずです。」
困りましたね。日本の未来はそんなに暗いのでしょうか。
本当に勝算はあるのでしょうか・・・・。
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