すごい経営 その4
この会社はスタンフォード大学MBAの教材にもなったと
冒頭で申し上げましたね。
税理士という職業柄、この事業承継の大成功物語として
MBAで取りあえられたと思ったのですね。
ところが全く違うのですね。
MBAの連中には事業承継など眼中にないのです。
なぜMBAに取り上げられたかが一番面白いと思いましたね。
先代は500食の弁当屋さんから事業を起こしました。
1万食、2万食の工場を作るたびに銀行から借入を
起こしていたそうです。
多いときで17億~18億円の借金を抱えていたそうです。
年商で12億円くらいと解説してありましたから、
年商より借金の方が多いのですね。
これは正直多すぎます。
ただ中小企業の顧問税理士として感じることは、
年商より借金が多い会社はいくらでも存在するという
事実はあります・・・。
ただこの2代目がすごかったのです。
事業承継してほぼ20年で借金は完済したそうです。
売上もご紹介したとおり、弁当事業だけで70億円ですからね。
MBAの連中にはこれだけ業績が良くなって
売上も拡大しているのに、なぜチェーン展開しないのか、
なぜ上場を目指さないのか不思議なんだそうです。
私も元証券マンとしては、
「上場しましょう」
という営業が毎日のように間違いなくあると思うのですね。
しかしここがこの会社の題名の通り「すごい経営」なのですね。
お分かりになりますか?
私のブログの永遠のテーマをここでまた申しあげましょう。
「会社は誰のものか?」
ということなのですね。
上場公開するということは、
「株主のもの」
という考え方からくるのですね。
この玉子屋の経営方針は
「最高の弁当を最高の最高の配達サービスでお届けする」
という考え方です。
つまり、
「会社はお客様のものである」
という考え方からくるのです。
このあたりMBAの方々には理解できないのでしょうし、
一般的な中小企業の経営者にも理解不能かもしれません。
これも何度も書きますが多くの経営者は
「会社はオレのもの」・・・。
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