amazon世界最先端の戦略がわかる その10
もう一度キーワードである
「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」(CCC)
を説明します。
「90円で仕入れたボールペンを100円で売る文房具屋」
で例えてみます。
今日仕入れたボールペンの代金をその場で卸業者に支払い、
それが売れたのが1か月後だったとします。
その1か月の手元の現金はマイナスですね。
その現金の状況を把握するのが、「キャッシュフロー経営」ですね。
しかし、さらにその現金がいつまで回収されるのが、この「CCC」なのです。
この文房具屋はCCCは「プラス30日」です。
小売業としては一般的なレベルのかもしれませんね。
また日本の出版社のCCCは、一般的にプラス180日なんだそうです。
つまり、日本の出版社は、だいたい出版から6か月後に
入金されるのが慣例なのです。
「出版不況」といわれて久しいですが、180日間出版社は借入金どで
「食いつながなければ」ならないのです。
CCCということが、いかに重要かわかりますね。
CCCは通常プラスになると思いがちですが、
ラーメン屋の例が出ていました。
ラーメン屋は日銭が入りますね。
それに比べて材料や人件費は後払いなのです。
CCCがマイナスということになります。
ラーメン屋が新規参入されやすいというのは、
先にお金が入り、開店時の資金が少ないからなのですね。
また、ネットメディアがCCCはマイナスになるそうです。
会員サイトの場合、会費は前払いが多いですね。
またネット広告もクリックした途端に入金される仕組みです。
あとこの本には書いてありませんが、私はすぐ気が付きました。
メルカリがその典型的な例なのでしょう。
中古品を出品して売れてもすぐ現金はきませんね。
ポイントと称する「疑似通貨」に化けているからです・・・。
なかなかこのあたりヒントになりませんか・・。
しかし、アマゾンのCCCのマイナスの理由は公表していないのです。
作者の成毛氏も、これは解明していないようです。
最後にアマゾンの売上構成をアップしておきます。
本業の小売りの比率は、今では60%に
落ちてきているのです。
それに対して「マーケットプレイス」は18%と
伸びてきています。
いままでこのマーケットプレイスに巨額の投資をしてきた理由が
これで分かりますね。
これ守秘義務があるので公表できませんが、
顧問先にアマゾンに出品しているところもあるので
分かるのです。
実際にものが売れても入金されるのがかなり遅いのです。
2~3カ月先です。
この間、アマゾンはこの「金利なしの」巨額の資金が自由に使えるのですね。
5年前の2013年に19億ドルも「無利子」の資金と書いてありましたから
いまやその何倍何十倍の資金を使えるのでしょう。
これこそアマゾンのCCCが30日もマイナスな理由ではないでしょうか。
潤沢なキャッシュを配当にも回せず、巨額投資をし続けることが理由が
そこにあるのです。
何度も書きますが、中小企業にはアマゾンそのもののビジネスは
絶対真似できません。
でも「CCCがマイナス」にする経営は規模の大小を問わず
できるはずです・・・。
これこそ世界最先端の経営術です・・・・。
(がんばれ!アマゾンに負けるなシリーズ おしまい)
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