どん底企業から東証1部企業へ その3
ではなぜ倒産したか?
もう一度じっくり検証しましょう。
やはり設立の経緯から、会社存続のために
不採算部門の独立ですからね。
「ビジネスモデルが確立できていない」のは明白です。
よって、そもそも信用度がないから、資金繰りに苦しみますね。
何故原価率が高いのか書いてありましたが、
「仕入単価については信用がない事から
高値で購入し、また高い値段設定では、価格競争を
勝ち抜くことができないから・・・」
原価率80%というのは、80円で仕入れたものを100円で
売るということです。
その意味が分かっているかということなのです。
でも京セラの稲盛さんも何度も言っていますが、
「値入は経営」
ですからね。
そこが一番経営にとって大事なのですね。
しかもオーナーがいる訳でなく、リーダーが3人いたと
書いていましたから、間違いなくリーダーシップの
欠如ですね。
私も税理士として「共同経営」の会社を何十、何百社も
見てきましたが、結構失敗することも多いのですね。
特に3人で共同出資して・・・というのは本当に難しいようです。
さらに、
「もともと創業にかかわったメンバーは、労働組合的な意識が強かった
ようです。つまり、労働者の生活を守るために会社の経営を
軌道に乗せたいという思いや、企業を社会的な存在として
捉える意識が強く、社会の発展のために寄与したいという思い」
もあったようです。
ですから当時公害問題が騒がれ出した時代背景から、
環境に配慮した生分解性の高い食器洗剤「マイソフト」を
開発したのです。
理想や志は高かったものの、やはり資金繰りに追われる毎日です・・・。
理想だけでは経営はできません。
当たり前ですが利益の確保ができないですからね。
何度も書きますが、「ビジネスモデルが確立できていない」
ことが一番重要です。
最後にまた高利貸に手を染めます。
負債は雪だるま式に増大し、ついには「融通手形」。
「融通手形」なんてご存知ですか?
手形を勉強すると必ず出てくる単語ですが、
実際にあったのですね・・・・。
要するに銀行で融資を受けられない企業が発行する手形
のことですね。
まさに最後の手段です・・・。
1973年(昭和48年)2回目の倒産です。
勉強になりましたか?
でもこんな「どん底企業」が東証一部に本当に上場したのです・・・・。
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