おかげさまで丸20年 つづき
昨日「開業20年です」とアップしたら、多くの方から
お祝いのメールなどいただきました。
ありがとうございました。
「記念パーティはやらないのですか?」
という問い合わせがありましたが、すいませんがやりません。
開業した時に、
「5年経ったら中野サンプラザで」
「10年経ったら京王プラザで」
「20年経ったら帝国ホテルで・・・」
何て言っていたこともあったのですけどね・・・。
しかし、昨日アップした「開業届」は本当に20年ぶりに見ました。
手書きなのですね。隔世の感があります・・・。
この開業届を朝一番で中野税務署の2階の総務課に提出して
「今日から開業した税理士の吉田です。
よろしくお願いいたします!」
怒鳴ったら、皆目を丸くしていましたね。
それから名刺を一日で200枚配ったお話は
もう何度もしたのでもうしません。
開業した当時のやる気は誰にも負けない気がしますが、
でも昨日の世阿弥のいうこれこそ「普通の初心」なのですね・・・。
20年前の開業届を綴ったファイルに、
平成4年分の確定申告書を見つけました。
平成4年というと私が野村證券を退職した年です。
そのまま大原簿記学校に入学して、
財務諸表論と法人税法と相続税法を必死になって勉強していた頃です。
この平成4年分の確定申告書を良く見ると、私の字ではないのですね。
見て思い出しましたが、これは中野税務署に2時間並んで
税務署の方に書いてもらった申告書です。
「税理士にこれからなろうとする人が
自分の申告書すら書けなかったのか!」
そうお叱りを受けるかもしれませんが、
その頃は所得税法はまったく勉強していません。
その後必死になって3年間も所得税法を勉強したので
誰よりも得意科目にはなりましたし、
今なら30秒で書ける自信はあります。
でもその頃は
「いかに未熟であったか」
正直にあえて書いてみたのです。
開業したばかりの税理士でも、その5年前は自分の申告書すら
書けなかったのです。
これこそ如何に未熟であったか、昨日気付かされたのです。
所得税を勉強したことがない人は確定申告書なんか
本当にチンプンカンプンなのです。
その気持ちを知っていることも大事であり、
この経験こそ、その後どれだけ役にたったか・・・。
25年前には自分の申告書すら書けなかった未熟なものが
今税理士として偉そうにしてはいけないのですね。
世阿弥の言う「初心忘れるべからず」はきっとこういうことを
いうのでしょう。
「平成4年分の手書きの確定申告書」と「平成10年の開業届」
を事務所に貼っておきましょうか。
いつでも「未熟な初心」に戻り謙虚に真摯になれます・・・・。
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