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2018年3月28日 (水)

ほどよく距離をおきなさい その3

昨日の「離見の見」という言葉をお聞きした瞬間、
ある言葉を思い出しました。


それは
「テレポーテーション」
ということ。
日本語で「瞬間移動」という意味ですね。


得意の昔話ですが、今から30年も前、野村證券で先輩から聞いた言葉です。
その先輩は、支店長→部長→役員と出世の階段を上ったトップセールスだった方。
「営業の極意」
ということで話してくれた時に、この「テレポーテーション」
という言葉を聞いたのですね。


「営業なんて簡単さ。オレはテレポーテーションができるから・・・」


「こうして話しながら、瞬間に相手の体に移動して
自分は相手からどう見られているか、どう思われているか
確認できるから・・・」


すごい衝撃的な言葉だったので今でもハッキリ覚えています。
でも当時は

「そんなマジシャンみたいなことは自分には絶対にできない」

絶望的な気持ちになりましたね。

意味合いとしてはこの湯川先生の言われる「離見の見」と同じなのでしょう。


先生はさらに、もっと平易な言葉で説明されています。


「相手の立場になって考えなさい」


これは先生が新人弁護士だったこころ、
恩師からよく言われたそうです。

その頃、妻子ある男性との間にできた子供の認知と養育費を
求める相談があったそうです。

相手方は「妻にばれると困るから」と調停をするまでもなく
要求通りに高額の慰謝料と認知、教育費を支払ったそうです。

新人弁護士としては大手柄だったのでしょうね。
でも依頼人から、
「調停にしたかった」
と言われてハッと気がつきます。
「離婚する」と言いながら自分との関係を続け、
子供ができたら逃げようとする自分勝手な男性を
調停に引っぱりだし、きちんと自分と子供に向き合ってほしい
それが依頼人の真意だったからなのです・・・。

なかなか弁護士さんの仕事も大変なのですね。

「事件を解決するということは、依頼者の苦しみや
悔しさを解決するところまで考えなければならない」

この苦い経験から教わったそうです・・・。

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