いのちのスタートライン その4
2007年2月。
ちょうど記念すべき第一回の東京マラソンが開催された時、
42歳で私生活も充実し働き盛りの大久保さんは、
思いがけず、奈落の底に突き落とされます。
東京は抽選に漏れたものの、
サロマ湖100キロの5度目の完走を目指して
軽井沢でランニング中、何と大けがをしてしまいます。
「雪の軽井沢をランニング何てしてるから・・・」
とは思いましたが、ランナーですからね。
その走りたい気持ちよく分かります。
重度の骨折で1か月にわたる入院。
その入院中になんとガンが発見されます。
精巣腫瘍というガンなのですが、
ガン発見のくだりが妙になまめかしい。
「私には健康に自信があった。タバコは吸わない。
食事に好き嫌いはない。好んでジョギングもしている。
週に5回も走っている。
毎年の人間ドッグで悪い結果がでたことない。」
これを読んで「ドキッ」としましたね。
タバコは吸わず週5日は走っていて、人間ドックで悪い結果が
でたことのない私ですから・・・。
「こういう方でもガンに侵されるのか・・・・」
精巣腫瘍とは進行の早いがんらしいです。
でも冬の軽井沢を走って怪我して入院したからこそ
早期に発見されたのですね・・・。
しかし、
心の葛藤がこれも、かなりなまめかしく出ています。
「俺はなぜがんになってしまったのか。
ガンになったことで、人生はどう変わるのだろうか。
子供たちはまだ幼い(8歳と6歳)。
我が家は大丈夫だろうか。
会社にはいつから出社できるのだろうか。」
そしてガン摘出手術。
その手術の描写がかなり細かく、
まるでテレビドラマでも見ているかのよう・・・。
摘出したガンの病理検査の結果。
胎児性ガン、セミノーマ、卵黄脳腫瘍。
しかも、ガンが、腹部、肺、首にまで転移。
最も進行して最終ステージⅢ- B・・・。
何度も書きますが、週5日も走っていて、
サロマ湖を4回も完走した健康そのもの大久保さんが・・・。
最後にもっとも恐ろしいフレーズが書かれていました。
「5年生存率49%」。
ということは5年間で2人に1人は亡くなる可能性・・・。
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