小さな企業が生き残る その2
大震災の年の2011年。金谷氏は全国各地の町工場や職人との
協業プロジェクト「みんなの地域産業協業活動」を始めます。
そこで福井県鯖江市の商社、キッソオと出合います。
これはテレビでも取り上げられ金谷氏を有名にしたお話です。
鯖江市というとメガネで有名なところですね。
キッソオは1995年創業、従業員15名ほどの
眼鏡メーカーに材料を供給する商社でした。
しかし、中国産の安いメガネチェーンが台頭し、
さらには2008年のリーマンショックで追い打ち。
2008年8億5000万円あった売上が半減、
ついには債務超過に陥っていました。
ここでキッソオは脱メガネということで、雑貨の製造販売という
思い切った事業転換を図っていたのです。
そこで金谷氏と出会います。
このあたり
「デザイナーという職業はこんなことをするのか?」
妙に感動します。
今まで材料商社であった会社ですからね。
完成品を作ったことも、売った経験もないのですね。
当時は、メガネのフレームの技術で
「一個4000円もするリング」を売っていたそうです。
何となく売れそうもないと思いますよね・・・・。
そこでキッソオが金谷氏と共同で作ったのが
コレです。
何だか分かりますか?
「サバエミミカキ」
耳かきなのですね。
パッケージデザインが非常に面白いですね。
如何にも鯖江市で作ったものと感じられますよね。
外観がきれいなセルロースアセート素材でできています。
もちろん、これはメガネの素材ですね。
製造も眼鏡フレームのこめかみ部分を加工する機械で
作っています。
さらに耳かきの中心部に、強度とバネ性に優れ、
チタンでも最高クラスのβチタンを使っています。
一番驚きなのがこの耳かきの値段です。
いくらだと思いますか?
「何と一本3900円!!」
「耳かきに3900円!売れるわけがないだろ!」
皆そう思いますよね。
この奇抜なデザインで「日経グッドデザイン賞」も受賞し
メディアで取り上げられたことで大ヒットです。
4年で3万6000本も売るロングセラー商品になったそうです。
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