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2018年1月12日 (金)

小さな企業が生き残る その2

大震災の年の2011年。金谷氏は全国各地の町工場や職人との
協業プロジェクト「みんなの地域産業協業活動」を始めます。

そこで福井県鯖江市の商社、キッソオと出合います。
これはテレビでも取り上げられ金谷氏を有名にしたお話です。

鯖江市というとメガネで有名なところですね。
キッソオは1995年創業、従業員15名ほどの
眼鏡メーカーに材料を供給する商社でした。
しかし、中国産の安いメガネチェーンが台頭し、
さらには2008年のリーマンショックで追い打ち。
2008年8億5000万円あった売上が半減、
ついには債務超過に陥っていました。

ここでキッソオは脱メガネということで、雑貨の製造販売という
思い切った事業転換を図っていたのです。
そこで金谷氏と出会います。

このあたり
「デザイナーという職業はこんなことをするのか?」
妙に感動します。
今まで材料商社であった会社ですからね。
完成品を作ったことも、売った経験もないのですね。

当時は、メガネのフレームの技術で
「一個4000円もするリング」を売っていたそうです。
何となく売れそうもないと思いますよね・・・・。

Photo_3

そこでキッソオが金谷氏と共同で作ったのが
コレです。
何だか分かりますか?

「サバエミミカキ」
耳かきなのですね。
パッケージデザインが非常に面白いですね。

如何にも鯖江市で作ったものと感じられますよね。
外観がきれいなセルロースアセート素材でできています。
もちろん、これはメガネの素材ですね。

製造も眼鏡フレームのこめかみ部分を加工する機械で
作っています。

Photo_2


さらに耳かきの中心部に、強度とバネ性に優れ、
チタンでも最高クラスのβチタンを使っています。

一番驚きなのがこの耳かきの値段です。
いくらだと思いますか?

「何と一本3900円!!」

「耳かきに3900円!売れるわけがないだろ!」

皆そう思いますよね。
この奇抜なデザインで「日経グッドデザイン賞」も受賞し
メディアで取り上げられたことで大ヒットです。
4年で3万6000本も売るロングセラー商品になったそうです。

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