誰がアパレルを殺すのか その12
熱く語ってきたアパレル・シリーズそろそろまとめましょうか。
たかだか250ページの本ですが、かなり勉強になりましたね。
何度も言いますが、アパレル業界以外の方々にもご理解してほしいのですね。
ハッキリ申し上げますが、ユニクロは
もうすでに「20年前のビジネスモデル」なのです。
でもアパレル業界自体が、「40年前(!?)のビジネスモデル」を
いまだに踏襲する古き良き体質が染みついているからこそ
ユニクロがいまだに新しく思えるのです。
これからの20年を考えれば、アパレル業界の
まったくの素人にもチャンスがいくらでもあるということです。
逆に知らない人の方がチャンスがあると言ってもいいでしょう。
最後に、今年2月に東京証券取引所第一部に上場した
TOKYO BASE(トウキョウベース)をご紹介しましょう。
同社の社長谷正人氏。まだ若干33歳です。
創業からわずか10年で全国に2000社しかいない東証一部の
社長になったのです。
2017年2月期の売上高は前期比53%増の94億円、
営業利益は95%増の13億円!急成長しているアパレル企業です。
谷氏は浜松市にかつてあった松菱という百貨店の創業家一族でした。
谷氏が高校生の時に経営破たんしてしまいます。
大卒後セレクトショップに勤め、その後すぐ独立。
3店舗のセレクトショップ「ステュディオス」がスタートです。
セレクトショップを成功させた理由は、取り扱ブランドを国内のみ
としたこと。
つまり、有名な欧米ブランドを扱わないことで差別化を
図ったのです。
この企業の特徴は、徹底した計数管理。
まず、定価販売とセール販売の比率を商品ごとにチャック。
具体的には定価販売の比率が6割を切ったブランドとは
翌シーズンから取引をしないということにし、
逆に8割を超える場合には仕入れを増やすそうです。
この徹底的な計数管理は税理士としても興味がありますね。
因みに、固定費の家賃は売り上げの5%以下としているそうです。
あと、トウキョウベースを伸ばしているのがSPAです。
ただユニクロとは真逆のSPA。
高度な技術を持つ国内工場と直接取引しています。
その驚くべきことは原価率の高さ。
なんと50%だそうです。
今までのアパレル業界では考えられない比率ですね。
この原価率の高さにより、高級素材を使うこともできるそうです。
ここでも徹底した計数管理に寄り、定価で売りきることを前提として
商品を作り余分な在庫と処分リスクを抑えています。
あとご紹介したZOZOTOWNとの連携が奏功し、
ネット通販比率が30%と高いことも利益率が高く庵っています。
さらに従業員にも利益を還元する制度として売上の10%を
インセンティブとして売上の10%・・・。
すごいですね。
何だかアパレル業界の未来は見方によれば
まだまだ明るいのです。
いろいろ言いたいことはまだありますが
最後に私の座右の銘をお伝えして終わります。
これを100回唱えると誰でも大成功します!
『 人の行く 裏に路あり 花の山 』
(がんばれ! アパレル業界シリーズ おしまい)
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