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2017年8月23日 (水)

生涯投資家 その5

ニッポン放送とフジテレビの問題について詳しく書かれていました。
ここを彼は書きたかったのですね。
この件により、インサイダー容疑で逮捕され有罪となった訳ですから・・・。

このお話は懐かしく読みましたね。
このネタで何度か「会社は誰のものか?」
という講義をしましたから。

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お忘れの方のために多少解説してみましょうか。
2003年当時のフジサンケイグループの図です。
ニッポン放送がこのフジサンケイグループの親会社で
上場企業です。売上高337億円で時価総額1502億円です。

フジテレビの32.29%を持つ親会社ですね。
売上高はニッポン放送の10倍の3337億円!
時価総額はニッポン放送の4倍の6231億円です。

「孝行息子」なのでしょうか。
親会社の株価より子会社の方が高く買われているのです。
ただ資本市場の論理から言えばいびつな関係です。


Photo_2


この両者の時価総額の推移です。
フジテレビの株式の価値がまったく反映されていないのです。

さらにフジテレビの子会社に売上高1368億円の産経新聞があります。

その他、ポニーキャニオン、サンケイビル、APTVなども
間接的に保有しています。

このいびつな関係に彼は着目して、ニッポン放送の株を購入することを
決めたのですね。

つまり、ニッポン放送の株式全部を仮に1502億円で買えたら、
すべてこのサンケイグループが手に入るのです。


こんな発想で投資をする人はかつて日本にはいなかったのです。
もちろん、ファンドマネージャーである村上氏は
当然ですが「儲けるため」にこれを実行したのだと思います。

ただ再三、指摘しているように「コーポレートガバナンスの不在」
が招いた結果であることを世間に周知させたかったのですね。

つまり、「上場しているということはどういうことか?」
「上場企業のあるべき姿とは何か?」
を市場に問いたかった訳です。

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