誰がアパレルを殺すのか その1
なかなかショッキングなタイトルですね。
生き物ではないのですから、殺すことはできないのですからね。
それだけに、アパレルという「業態」は死んでしまった
というのですね。
では、題名の通りなら、誰のせいで殺されたのでしょう・・・・。
ではその前に、いかに「アパレル業界は死んでしまったのか」
の理由を経済産業省のデータから。
1991年(平成3年)まさにバブルのピーク時には
15.3兆円もあったのですね。
あのバブルの頃とは比較にならないでしょうけど、20年間で
市場規模は3分の2に。
この「失われた20年」でこれだけ下がった業種も珍しいでしょうね。
ただ注書きに注目していただきたいのですが、
ここ数年間で訪日外国人の「爆買い」特需もあった訳ですから
実際にはもっと縮小しているのです。
でも一方で、国内供給量は20年前に比べなんと2倍にもなっているのです。
市場が縮小して、売れなくなっているのに
供給量だけが増えているのです。
当然あふれ出た商品を売りさばく業者が出てきます。
これをいわゆる「バッタ屋」と呼ばれる方々・・・・。
しかし、メーカー側はたまったものではないですね。
売れない上に在庫の山。
それをバッタ屋にたたき売りですから・・・。
まさに、「アパレル不況」
なぜこんなに供給過剰になったかは後で解説しますが、
アパレル不況であおりを受けているのが百貨店業界。
なぜなら百貨店の売上の3割はアパレルだからです。
ここ数年の百貨店の閉店の表です。
週末の日経新聞で、百貨店の船橋西武と小田原西武が閉店する
ことが発表されていましたね。
表中の三越千葉店も今年3月に幕を下ろしています。
最盛期に500億円もあった売上が、2016年3月には
120億円まで落ち込んだそうです。
それだけ個人消費が落ち込んでいるということなのでしょうか。
当然ですが、百貨店の依存度が強いアパレル業界にとっても
打撃であることは間違いありません。
ただ筆者は「アパレルを殺すのは百貨店だけでない」
としています。
それどころか、
「アパレル業界は集団自殺している」
とまで言い切っています。
なかなかこの著者過激ですね。
この業界を理解するうえで、なかなか勉強になりました。
きっとアパレル業界以外の方々にも、参考になると思いますので
ご紹介していきましょう。
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