吐血の局
もう一つ囲碁ネタ。
こんな話題を振る税理士は絶対いないでしょう。
囲碁ファンにとっても「超コアな」ネタ。
先月百田尚樹さんの「幻庵」を読んで一番感動したところは
この「吐血の局」だったのですね。
「幻庵」を読んでまた、これも「amazon速攻買い」したのが「丈和」
この吐血の局が真っ先にでている本です。
名前の通り、この一番を打って負けた棋士は
吐血したという文字通り「命がけの一局」
実は幻庵が打ったのではないですね。
幻庵の弟子である「赤星因徹」(あかぼしいんてつ)。
相手丈和は当時の最高位であった名人碁所の「本因坊丈和」。
本当なら幻庵が打つべきところだったのですが、
敢えて格下の弟子をぶつけて勝てば、丈和を引退させ、
自分が名人囲碁所に就任するための地位争いの戦いだったのですね。
地位をかけて争う碁をまさに文字通り、
争碁(そうご)と呼ばれました。
娯楽の少ない江戸時代のこと。
たぶんこの対局は日本全国から注目されたのでしょうね。
今では比較にならない大事件だったはずですね。
大鵬柏戸の優勝決定戦。
巨人長嶋と阪神村山の天覧試合。
巨人中日の10.08決戦。
たぶんこの三つ足して三倍したくらい日本中から注目され
日本国民全体が熱狂したでしょう・・・!?
よく「命がけの戦い」という言葉が使われますが、
これ以上「命がけ」の勝負はなかったのではないでしょうか。
丈和が放った246手を見て、赤星因徹は吐血して倒れます。
そのまま負けになったのですが、その2か月後に
本当に赤星因徹は死んでしまったのです。
実は、赤星因徹は、結核を患っていたのです。当時の結核は不治の病。
本当に死ぬつもりで戦ったのでしょう・・・。
これだけ囲碁ファンを熱くする一局は他にはないでしょう。
序盤で赤星因徹が打った33手目、「井門の秘手」(せいもんのひしゅ)と
呼ばれるもの。
私のレベルではどうしてこれが秘手だか分かりません・・・。
この秘手により赤星因徹が優位に進めますが、名人丈和が
放った68手目、70手目の妙手。
これにより赤星因徹が打った67手目を手抜きすることができ
72手目の打ち込みで逆転したらしい・・・。
このレベルは高すぎて私にはやはり分かりません・・・。
さらにその次に放った丈和の3手の妙手は「三妙手」(さんみょうしゅ)
と呼ばれるそうです・・・。
なかなか奥が深い一局です・・・。
でもこんな対局が遠い昔に打たれていたのですね。
囲碁の素晴らしさを教えてくれる名局でしょう・・・。
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