捨てられる銀行2 その6
なかなかこの問題は意味深く難しい問題ですね。
いろいろ熱く語りたいことは多いのですが、そろそろまとめましょう。
この森金融庁長官のかかげる「フィデューシャリー・デューティー」
によって、これからの金融行政はどう変わるのでしょうか?
ハッキリと「二極化」すると著者は言っています。
これを成果指標として、顧客本位を競い合う金融機関と、
これに背を向ける金融機関と・・・。
これを「見える化」という選別を促進化することになるだろうと。
当然ですが、それに背を向けた金融機関こそ、
金融庁としては「捨てられる銀行」としていくのでしょう。
森金融庁長官の決意表明が、金融庁のホームページに
出ていますね。
平成29年4月7日に行われたセミナーで
話された内容です。 こちら
この本と共に、この森長官の真意をぜひご理解ください。
「フィデューシャリー・デューティー」という言葉は
どうも言いにくいのか、
「顧客本位の業務運営に関する原則」
という言葉に言い換えています。
現在売れている商品の「貯蓄性保険商品」と「毎月分配型の投資信託」
に対しても強烈な批判をしています。
この両方の商品を、もし「顧客本位の業務運営に関する原則」に
従って販売しない金融機関は、はっきり「叩き潰す」といっていると
思いませんか。
NISA(少額貯蓄非課税制度)についても触れていますね。
NISAの使われ方が間違っていると言っているように
思います。
個人金融資産を、このNISAによって取り込もうとしているのは
ある意味「国家戦略」と言われているところですね。
国民の家計金融資産は1700兆円にも上ります。
その半分以上の900兆円が現預金となっています。
投資信託の残高は100兆円にしか過ぎないのですね。
900兆円もの「眠った資金」をなんとか投資信託に
取り込もうとしているのですね。
何だか天文学的数字でピンと来ないかもしれないでしょうけど、
900兆円が動くことによって、GDPの押し上げ効果は
ものすごいことになるのでしょう。
森長官を応援するとともに、税理士としてもNISA問題は
今後も注力していきたいと思います。
(ガンバレ! 森長官シリーズ おしまい)
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