捨てられる銀行2 その5
この本は、「フィデューシャリー・デューティー」
「真に顧客本位の業務運営」を解説した本と言っても
過言ではないでしょう。
金融機関の方々が前著と共に、この本を買って熟読しているそうです。
「フィデューシャリー・デューティーって何だ・・・」
どころか、皆
「これはマズイことになってきた・・・」
そう思っているのだそうです。
でも「真に顧客本位の業務運営」とは銀行に限ったことではないですよね。
普通の一般企業で、「お客様第一主義」とよく叫ばれています。
なぜ、これが銀行では、こんな当たり前のことが、
どんな「マズイことになってきた」のか。
銀行はたいがい、系列の証券子会社を持っています。
銀行ではその証券子会社の投資信託を売っていました。
でも、これこそがこれからは「マズイ」のですね。
お客さんは自分の大切なオカネを預け運用してもらうのです。
お客さんの利益を第一に考えなければならないのですね。
親会社の銀行の儲けを優先してはいけないからなのですね。
「そんなこと言ったって、証券子会社の社長は
たいては銀行からの天下りだし、銀行の出向社員も多い・・・。
親会社のために働くのは当たり前だろ・・・」
そう思って当然だと思うのですね。
でもこれこそが、
「フィデューシャリー・デューティー違反」
ということになるのですね。
分かりやすい例で書いてありました。
例えば、医者や弁護士は、この「フィデューシャリー・デューティー」に
忠実であり、だからこそ社会的地位が高いと。
医者が自分の儲けを優先して
「あなたはがんになりそうだから、毎週来てください。
この高い薬も飲んでください。」
そう言わないと信じていますね。
弁護士さんもその意味で同じです。
だからこそ、金融機関も、これからは社会的地位の向上が
より求められるのですね。
自分のお大切な「虎の子」を銀行自身の手数料稼ぎに
使われたのではたまったものではないですからね。
今後、金融機関の親会社、子会社間の「利益相反」に関しては
金融庁は厳格にチェックしていくのだそうです。
つまりお客さんの利益を銀行がとっていないか、お客さんに
正しく還元されているのか
これが果たしてどこまで実行されるのか。
これこそ森金融庁長官の手腕が問われるところだと
思います・・・・。
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