靴下バカ一代 その2
ではその主人公「越智直正」氏のご紹介から。
越智会長は、愛媛県周布村(現西条市)という瀬戸内海を望む小さな村に
11人兄弟の末っ子として生まれました。
中学生の時に父親を亡くし、15歳で大阪にあるキング靴下鈴鹿商店で
丁稚奉公を始めます。
時代は54年(昭和29年)頃ですので、
まだ戦後の雰囲気漂う昭和の時代。
「丁稚奉公」などというのは懐かしい響きですね。
大阪のお話なので、少しずれますが、
井沢八郎さんの名曲「ああ上野駅」に出てきそうなシーンですね。
集団就職列車に乗って大都会に乗り込んでいく中卒の少年たち・・・。
しかし、丁稚奉公なんて「死語」のように思えるでしょうけど、
職人の世界に飛び込むというのは、それくらいツラい世界があるのですね。
私自身の体験談ですが、証券マンから会計人に飛び込んだ時、
まさに「丁稚奉公」の世界でしたから・・・。
周りは高卒の女性ばかり。大卒のオヤジ完全に浮いていましたからね・・・。
越智少年の初月給は手取り1500円。
休みは月に半日だけ。
毎朝6時に起きて、店で働く人全員分の食事の用意から片付け、
掃除とはじまり、夜は深夜1時、2時まで。
最初の1週間で逃げ出したくなったそうです・・・。
でもこの越智少年の偉かったことは、
絶えず勉強していたことなのですね。
中卒ながら中国の古典を必死になって勉強していました。
理由は恩師の言葉。
「丁稚に行っても勉強していなければ通用しない。
中国の古典を読め。難しくても分からなくても諦めず100回読め・・・。
なかなか素晴らしい恩師ですね。
この本全般に出てくる中国の名言。これだけで驚きます・・・。
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