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2016年6月24日 (金)

捨てられる銀行 その6

信用保証制度の批判はまだまだ続きます。


「もっとも重要なことだが、多くの事業者は、
貸し渋りの解消策として拡充された信用保証制度によって
借りやすくなったにもかかわらず、なんと資金繰りが
悪化してしまった・・・」


なかなか良いこと書いてありますね。
中小企業の顧問税理士として
これは現実問題として実感しています。
資金繰りが悪いからおカネを借りるのに、
おカネを借りても余計資金繰りが悪くなる・・・。
事業が黒字なのに、キャッシュフローが悪くなる・・・。
説明したように銀行員は会社の資金繰りなんか
気にもしていませんからね・・・。


数字で出ていました。
地方銀行64行の手形貸付残高は2003年で17兆円から
2015年には6.5兆円まで激減。
これに対して長期の融資などの証書貸付は93兆円から
153兆円に急増しています。
金融検査マニュアルや信用保証制度の悪影響からか
銀行融資自体が短期から長期へ大幅にシフトしまったのですね。


これは経営者として勉強していただきたい点です。
図で表すとこうです。

Annkoro

長期の「約定弁済の」ローンは元本返済がキツイですね。
短期なら元本を返済しないで済み、金利だけ。
どっちが資金繰りが良くなるか、これは一目瞭然です。

短期で借りて金利だけ払っていくのが、これこそ「短期継続融資」。
短期で融資を転がすから「短コロ」と呼ばれます。
「疑似資本」に近い効果を持ちます。

2015年1月金融検査マニュアルの改訂により
短コロは公認されたのです。
ですから、最近入社した若い銀行員は「短コロ」なんて
言葉すら知りません。

若い銀行員に

「短コロでお願いしますよ。最近金融庁が認めたんでしょ。」

とぜひ教えてあげてください・・・。

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