捨てられる銀行 その4
もう一つ銀行をダメにした制度が取り上げられていました。
これは本当に勉強になりました。
何だと思いますか?
中小企業経営者なら誰でも知っている「信用保証制度」です。
銀行からお金を借りるときに、保証協会から保証してもらう
仕組みですね。
現在では銀行で当たり前のように行われている制度なのですが
これがまた銀行員の「目利き」を放棄させて、
「ダメ銀行」にしてしまったというのです。
その信用保証制度がなぜ誕生したかというと、
また1998年(平成10年)まで遡ります。
ご説明したとおり、当時は長銀や日債銀が破たんし、金融パニックが
起きていました。
銀行の「貸し渋り」、「貸しはがし」が起きないように、
時の小渕恵三内閣が、「中小企業金融安定化特別保証制度」(特別保証)
を作ったのですね。
中小企業が倒産しても保証協会が100%保証し、返済を肩代わり
(代位弁済)してくれるというものです。
2回目は2008年(平成20年)のリーマンショックへの対応ということで、
麻生内閣が導入した「緊急保証制度」。
これも同様に100%代位弁済が確約されています。
この2回の100%保証が登場したことによって、
銀行の行動はどうなったかというと、
銀行自らがリスクを取る「プロパー融資」から
この「保証協会付融資」へ切り替えが進んでしまったというのです。
前に説明した「金融検査マニュアル」で不良債権を作らないように
厳しく言われているのですからね。
不良債権が絶対おきない「保証付」なら大丈夫。
何と言ってもノーリスクの融資ですから。
しかし、これこそ目利きの放棄。
ハッキリ言えば、企業の事業内容、資金繰りの悪化を
平気で見なくなっていってしまったのです・・・。
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