キリンビール高知支店の奇跡 その4
田村支店長はついに決断します。
それは「本社の指示を無視すること」・・・すごいですね。
こんなことできる支店長は絶対にいないです。
何度も書きますが、強烈なキリン本社批判です。
ビールの販売先はスーパー、酒販店などの量販店向けと、飲食店向けの2種。
そのうち75%が量販店向け、残り25%が飲食店ということですから、
当時キリン本社は、量販店の営業目的を数値目標としたのですね。
田村理論の「現場の検証」から、高知県民は年間270日も宴会をするという
お酒好きの県民性。
飲食店を攻めたほうが、より効果があるのではという仮説を立てたのです。
つまり、飲食店でキリンの美味しさに気が付かせたら、家庭でも飲むために
量販店での売上があがるのではと考えたのです。
営業マンが変わるために研修をします。
「なぜ高知支店がダメなのかを徹底討論。」
結論的に営業マン自身が「飲食店向けの営業をやろう」という決意表明を
させます。
自ら気が付かせるということが大事なのですね。
ただ、当時のキリンの営業は、ほとんど飲食店回りなんかはしていません。
いままでまさに「殿様商売」だったから。
飲食店なんか、せいぜい月に30軒から50軒。
これを月間200軒回ろうという目標。一日10軒です・・・。
ただいままでの殿様営業のつけが回ってきたのか、営業しても
なかなか成果が出ません。
しかも当時は「スーパードライ旋風」が吹き荒れていましたし。
2カ月経ってもまったく成果が出ません。
支店長はついに爆発します。
「目標数字も出てないなら、家に帰るな!」・・・
ただ怒るだけでなく、ここは大事なことです。
リーダーとして
「何のために一生懸命飲食店を回るのか。なぜ仕事をするのか。」
ここを諭すのが仕事・・・。
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