理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス その6
取締役会が分裂した会社はいったいどうなるのか?
改めて商法を読み直し、これは結構勉強になりました。
解任された久美子氏は反撃に出ます。
まず、解任に賛成した中尾氏を攻撃します。
本来なら独立した立場から賛否を示すべき取締役が、
社長を解任したことで、「株主訴訟を提起」するまで準備します。
中尾氏は長年の友人であった勝久会長から頼まれて社外取締役に
なっただけだったようです。
久美子氏の正論に歯向かうことができず、ついに辞任へ。
これで取締役は7名ですね。
過半の賛成を取るには4票が必要です。
阿久津氏と長沢氏は久美子側。あと1票。
よって久美子氏と親しかった妹のご主人である佐野氏を説得。
結局4票を獲得して、取締役会で可決。
久美子氏の社長復帰が決定したのです。
でもこの問題は株主総会までもめたのですね。
それはどうしてか?
これも商法の勉強になりました。
会社法303条(株主提案権)というのがあるのですね。
勝久氏はもともと創業者ですから大株主でもあるのです。
「自分を取締役にしなさい」
と提案できるのですね。
久美子氏はこの時点で、3月の株主総会以降には、
勝久氏を会長として残すことも、勝之氏を専務として残すことも
まったく考えていなかったのです。
「創業者が追い出される」
という前代未聞の株主総会での対決。
これはなかなか面白かったです・・・。
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