理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス その3
ワイドショー的な「親子喧嘩」のことを書くのでなく、
税の専門家として事業承継の観点から説明してみましょう。
このお二人の姉弟の変遷です。
長女久美子氏が平成6年の時に入社。まだ26歳ですね。
その2年後の28歳で早くも取締役就任です。
と同時に長男勝之氏も26歳ですでに取締役。
このあたりから、典型的な「同族企業」と読み取れます。
やはり、この大塚家具は創業者勝久のどうみても「ワンマン経営」
一応その後上場企業となりましたが、申し訳ないですが
どこにでもある中小企業と同じ。
だからこそ事業承継のリアルなお話として参考になるのですね。
久美子氏は2004年(平成16年)に一度取締役を退任しています。
どうやら勝久氏とぶつかったようです。
実の親子でもやはり難しいですからね。
自らコンサルタント会社を立ち上げ別の業界へ。
ここで、次期後継者として長男勝之氏が社内外に周知徹底されていきます。
しかし、2008年(平成20年)になんとインサイダー問題で
長男勝之氏が辞任してしまうのですね。
そこで白羽の矢を立てられたのが、長女久美子氏。
この時勝久氏は65歳。久美子氏も40歳。
まさに事業承継問題の大事なタイミングであったのですね。
勝久氏は会長に退き、久美子氏が社長に。
でもこの時久美子氏が社長就任として要求したことが
2つ。
1.完全な同族経営、つまり役員全員が一族であることを
改めて「社外取締役」をいれること。
2.持株の30%を所有する勝久氏の相続対策をすること。
なかなか久美子社長は頭がいい。
かなり勉強されていたようです。
それでどうしたのでしょうか。これはまた参考になります・・・。
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