町工場の娘 その5
意識改革の次にしたことは、「経営方針の策定」
これがなぜ必要かは非常に参考になります。
諏訪社長は二代目だからなのですね。
お分かりになりますが、ここをよく読んで考えていただきたいのです。
創業者ならカリスマ性があります。
社員の誰もが畏敬の念を抱く存在です。
二代目には、残念ながらカリスマ性はないのです。
二代目は創業者の下で働いた人が納得し、ついて来てくれるような
方針を新たに掲げる必要があったのですね。
そこで1年がかりで作った経営方針は
「ものづくり大田区を代表する企業となる」
「超精密加工を得意とする多機能集団である」
経営方針については、京セラの稲盛さんがよく言っていることですね。
経営方針がなぜ必要かは
「社員とベクトルを合わせる」ために絶対必要なのだと・・・。
もう一つ、二代目社長の工夫は、
創業者が「トップダウン」なら、二代目は「ボトムアップ」。
ご紹介した職場をチームごとに分けて勉強会をさせたことも
その理由なのですが、現場社員の意見を吸い上げる努力をしたのです。
それに必要なのは、当然コミュニケーション。
笑ったのは、諏訪社長は、
「大阪弁の日」や「京都弁の日」と決めて
慣れない大阪弁などを使って、社員とコミュニケーションを取ったこと。
こんな社長、いないですよ。
社員の笑い声が聞こえてきそうですね。
こんな明るい社長なら社員はついていきますね。
驚いたのは、引き継いでから社員が辞めなかったこと。
辞めさせず、社員を教育しボトムアップしていったのです・・・。
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