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2014年3月 6日 (木)

「逆境経営」旭酒造桜井社長 その6

ではまたここで「酒造りのウンチク」を。

酒造りの大事な工程の一つに「上槽」(じょうそう)、
つまり、「お酒の原液を槽『ふね』の中に入れて絞る」行程があります。

Dassai_hukurosibori


一般的な酒蔵では、昔から、日本酒の原液を布の袋に詰め、
槽(ふね)中に袋を積み重ねる「袋しぼり」という伝統的な絞り方を
やっていました。
すべて手作業ですから、大変な労力だと想像がつくでしょう。
でも機械で絞るより、自然な圧力でキレイな味に仕上がるのですね。
なんとなく美味しそうに感じるでしょうか。
現在では高級酒のみに限られて行われています。

というのは、お分かりのように「低価格で」大量生産しようと思ったら
これでは無理なのですね。

それで多くの酒蔵では機械を導入しているのです。
シェアが高いのが兵庫県明石のこのメーカーのもの。
「ヤブタ式」

Dassai_yabuta_2
(薮田産業HPより)


ただこれだと、獺祭の桜井社長いわく
「機械の袋香がわずかに残り、酒に外的な圧力をかけるために
お酒の味の組織が壊れてしまう欠点がある」そうなのですね。


それで獺祭が導入したものがコレ。

「遠心分離システム」


Dassai__enshin_system

日本で最初に導入したのが獺祭なのだそうです。
1分間に3000回も回転をお酒にかけ、
酒粕とお酒を分離させる装置です。
無加圧状態で、もろみからお酒を分離したものなので、
純米大吟醸もろみの本来持つ香りやふくらみなどの
美点が崩れることない美味しいお酒がつくれるのですね。

この装置を使って製造されたものがコレです。

Dassai_enshin23720

「獺祭 磨き二割三分 遠心分離」
一升(1.8L)で15,750円 720mlで7,875円

なんと!普通に製造されるお酒「磨き二割三分」の1.5倍!
「高い!」のです。

機械化することによってより高くなるのですね。
どうしてかというと、普通の「ヤブタ」を使うより
10分の1しか絞れないのですね。

一升で1万5千円もするお酒を高いと思うかどうかですね。
でも、この「遠心分離」もまた飲みたくなってきましたね・・・。

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