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2014年1月23日 (木)

海賊と呼ばれた男 その5

本当は下巻の一番のハイライト「日章丸事件」のことを
最後に書きたかったのですが
やはり「ネタバレ」でしょうからやめておきます。

でも、日章丸がイランから石油を運んでくる場面は本当に
感動しますよ・・・。


でも、経営者向けに、最後に言いたいことを書いておきます。

それは、「企業が拡大するには銀行とのお付き合いが本当に
大事なのだな」とこの本を通じ感じることです。

国岡商店(出光興産)はいろいろな苦難に遭遇します。
それを切り抜けたのは、この鐡造社長の絶え間ぬ不屈の闘志と
それを支える忠臣社員の力だと思います。
でも、一方で絶えず資金繰りに苦しんだ会社でもあるのですね。

社員に手厚い会社とは、当然ですが社員に対する給料など
厚遇です。自然と人件費も膨らみますね。
鐡造の家族的精神から来るものでしたね。

「でも経営学的にどうなのだろう?」

これは絶えず疑問に思いながら読み進めていました。
会社の経営が右肩上がりに進むときは、人件費増を上回る
売り上げ増で回収されるからよいのですね。
でも企業経営には不測の事態が起きうるのです。

例えば、関東大震災の時も鐡造社長は直面しています。
当時の銀行(第一銀行)から融資の全額引き上げを通告されます。
国岡商店倒産のピンチですね。
それを救ったのは、二十三銀行の頭取の度量でした。

鐡造社長に会っただけで、つまり「何も話さないで」
当時の25万円(今でいえば25億?)の巨額の
融資を決めたのですね。

これこそ「真のバンカー」だと本当に思います。

またその後日章丸事件の時にも、1000万ドルという巨額の融資を
したのはバンクオブアメリカの頭取の度量でした・・・。


銀行が「決算書」にカネを貸すのではなく、「人」に貸していた
古き良き時代なのでしょうか・・・・。


本当に感動する本です。
しかも、経営に勇気を与えてくれるはずです・・・。

(海賊シリーズ おしまい)

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