破綻―「バイオ企業・林原の真実」林原靖著 その9
「林原は銀行と悪徳弁護士らに乗っ取られたのか?」
果たしてそうなのか、まだまだ独自研究は続きます。
面白い本を見つけました。
林原健社長が10年前に書かれた本です。
ちょうどその頃、日経の「私の履歴書」にも取り上げられたので、
それに加筆して出されたものでしょう。
林原健氏の半生そのものが書かれており、
その彼の人となりが実によく分かります。
結論から言うと、やはり経営者としての「器の問題」、
社長の責任はやはり大きかったのだと思います。
よく読むと、弟の林原靖氏の書いた「破綻」には、
この履歴書の内容を批判している箇所が多々あります・・・。
ところで林原健社長は、
「昼前に出社して、2時3時に退社する」
有名な社長さんだったらしいですね。
本人もそれを認めていますし、20年以上そのスタイルだったそうです。
「会社でも常務会にも顔を出さず、一般業務は弟の靖専務に任せ
口を出すことをほとんどない。」
19歳で社長に就任してその後20年くらいは苦労されたようなので、
それ以降、あまり経営者らしいことをやっていなかったようです。さらに、
「仕事は好きでない。経営が楽しいということもない。」
そんな社長だったのですね。
果たして、これで「経営者」と言えたのでしょうか?
でも靖専務に完全に任せたとは言えないのですね。
完全なミスジャッジが記載されていました。
「社内には借金を返し、金利負担を軽減、財務状況を改善した方がよいとの
意見もあった。しかし、それでは将来の利益は生まない・・・。
利益がでなくても、50年くらい研究を続けられる蓄積はある・・・」
10年前の発言なのですね。
靖専務は「破綻」でこれを厳しく糾弾しています。
専務の進言通り、借金を返済して財務体質の改善を
実行していれば・・・。
経営者としての「楽観」ですね。
先代から引き継いだ巨額資産がバブル崩壊後も
まだまだ膨れ上がっていつままだとずっと「勘違い」していたのです。
「楽観しすぎた」林原健社長は、毎日、2時3時に仕事を終え、
仕事を放り出してメセナ(慈善事業)に精を出し続けていたのです・・・。
« 破綻―「バイオ企業・林原の真実」林原靖著 その8 | トップページ | 破綻―「バイオ企業・林原の真実」林原靖著 その10 »
« 破綻―「バイオ企業・林原の真実」林原靖著 その8 | トップページ | 破綻―「バイオ企業・林原の真実」林原靖著 その10 »
コメント