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2013年9月11日 (水)

稲盛和夫最後の闘い その5

JALにおける「アメーバ経営」を理解するための
分かりやすい例が出ていました。

例えば成田・ニューヨーク間の一便があるとしますね。
ではその一便の「収支」を今まで出していなかったのです。
収支ですから、収入と支出ですね。当然一便ごとの「儲け」ということになります。

これをアメーバ経営では
「一便ごとの収支を翌日に出す」
仕組みにしたのです。
これこそJALに最適な「部門別採算制度」なのですね。

でも実際には、管理会計上の手間は大変なことなのでしょう
航空機会社というのは突き詰めれば、何万人もの人々が協力して
一機の飛行機を飛ばしているのですから。

一枚のチケットには、パイロット、客室乗務員、整備士の人件費から
航空機のリース料金、燃料費、空港の電気料金、水道代まであらゆるコストが
かかっていますからね。

これを正確に出すことから始めたのですね。
でもこれが出来たら、「不採算路線」何て一目瞭然なのでしょう。
ではなぜそういう努力を今までやってこなかったか・・・。

公共交通としてのプライドなのでしょうけど、政治家とかいろいろな影響も
あったのではないでしょうか・・・。
「過疎地に政治の力で飛行場を作る」なんてお話は
かつてどこにでもあった訳ですから・・・。

「一便ごとの収支」もそうなのですが、
「部門別に採算を出す」というのもアメーバ経営なのです。
具体的には、JALの従業員3万人を10人ずつのチーム
(つまりこれがアメーバ)に分けるのですね。
簡単にいえば、それをチームごとに競わせる仕組みなのです。

例えば、キャビン・アテンダント(CA)を10人ずつ、
10チームあったとしますね。
毎月「機内販売の売上高」でランキングするのですね。

こうすれば、CAが「イヤでも」努力して機内販売を
するようになる訳ですね。

当然売るためにはサービスも良くしなければならないし、
愛想も良くなければならない・・・。

最初に稲盛氏が

「八百屋の経営もできない従業員ばかり・・・」

といった意味がようやく分かりましたか?
アメーバ経営とは本当に見事な仕組みです・・・。

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