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2013年9月25日 (水)

破綻―「バイオ企業・林原の真実」林原靖著 その4

「半沢直樹」の楽しいお話をいつまでも続けたいのですが
現実的なお話に戻りましょう。

でも
「メインバンクに半沢直樹がいてくれたら・・・」
そう思いながらお考えください。


2010年11月頃、林原で「過去における架空売り上げの計上」
という「粉飾」の問題が発覚します。

この本では、その粉飾について、詳細には書かれていなかったのですが
事実あったようです。
ただ再三申し上げますが、林原という会社は非公開会社なのですね。
決算書に監査は受けていなかったようです。

「そんなことメインバンクとして知っていて当然だろ!」

そんな声もあるかもしれませんが、結構巧妙な?粉飾だったみたいです。
しかし、読んでいて「笑ってしまいましたが」
銀行の借入残が銀行の提出先で違っていたのですね。
何でこんな「子供じみた」粉飾なんかやっていたのでしょうか・・・。

それが2010年11月で、メインバンクの中国銀行とサブの住信との
話し合いで発覚したのだそうです。

この著者は

「銀行にも守秘義務がある・・・」

と怒って書いてありましたが、

「そんなことないだろ・・・」

これは正直この著者に突っ込みたかったところですね。

でもこれも私の感触ですが、会社の資産規模、事業規模を比べたら
「大した粉飾」ではなかったようです。
この著者いわく、
「一年一年の決算を重視するよりも、10年~20年、あるいはそれ以上の
時間感覚の中で帳尻を合わせていく・・・」

という(おめでたい)認識だったようです。

ただ銀行は「粉飾」と聞いただけで手のひらを返します。
メインバンクの中国銀行が急に「担保設定」をしだし、
サブの住信も連帯保証を要求してきます・・・。

半沢直樹の「工場を営む父親」(笑福亭都鶴瓶)が経営が
苦しくなったとき
融資担当者(若き日の大和田常務)から
「担保を差し出せば融資します」
と言われ、担保を出させた瞬間、手のひらを返したのと
まったく同じです。

その結果、父親(鶴瓶)は首をくくり、
林原も社長は退任させられ、結果的に倒産して
何もなくなってしまいました・・・。

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