破綻―「バイオ企業・林原の真実」林原靖著 その4
「半沢直樹」の楽しいお話をいつまでも続けたいのですが
現実的なお話に戻りましょう。
でも
「メインバンクに半沢直樹がいてくれたら・・・」
そう思いながらお考えください。
2010年11月頃、林原で「過去における架空売り上げの計上」
という「粉飾」の問題が発覚します。
この本では、その粉飾について、詳細には書かれていなかったのですが
事実あったようです。
ただ再三申し上げますが、林原という会社は非公開会社なのですね。
決算書に監査は受けていなかったようです。
「そんなことメインバンクとして知っていて当然だろ!」
そんな声もあるかもしれませんが、結構巧妙な?粉飾だったみたいです。
しかし、読んでいて「笑ってしまいましたが」
銀行の借入残が銀行の提出先で違っていたのですね。
何でこんな「子供じみた」粉飾なんかやっていたのでしょうか・・・。
それが2010年11月で、メインバンクの中国銀行とサブの住信との
話し合いで発覚したのだそうです。
この著者は
「銀行にも守秘義務がある・・・」
と怒って書いてありましたが、
「そんなことないだろ・・・」
これは正直この著者に突っ込みたかったところですね。
でもこれも私の感触ですが、会社の資産規模、事業規模を比べたら
「大した粉飾」ではなかったようです。
この著者いわく、
「一年一年の決算を重視するよりも、10年~20年、あるいはそれ以上の
時間感覚の中で帳尻を合わせていく・・・」
という(おめでたい)認識だったようです。
ただ銀行は「粉飾」と聞いただけで手のひらを返します。
メインバンクの中国銀行が急に「担保設定」をしだし、
サブの住信も連帯保証を要求してきます・・・。
半沢直樹の「工場を営む父親」(笑福亭都鶴瓶)が経営が
苦しくなったとき
融資担当者(若き日の大和田常務)から
「担保を差し出せば融資します」
と言われ、担保を出させた瞬間、手のひらを返したのと
まったく同じです。
その結果、父親(鶴瓶)は首をくくり、
林原も社長は退任させられ、結果的に倒産して
何もなくなってしまいました・・・。
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