稲盛和夫最後の闘い その2
JALという会社は長い間、就職人気ランキングで常に
トップグループでしたね。
だから社員は誰もが有名大学卒で優秀な方たちばかりなはずですね。
それでも、そんな優秀な社員がいる企業が破たんしたのです。
どうして破たんしたのでしょうか?
稲盛氏は、就任後それをまず経営幹部に聞いていきます。
JALの子会社を含め100人以上の社長に全員に
のべ100時間以上かけじっくりと会っていきます。
でも、「天下りの子会社」が100社以上あったということですから
それだけでも驚きですね。
そこで、稲盛氏はすぐ感じます。
「まず当事者意識がない。リーダーとしての自覚がない。」
こうばっさり切り捨てます。
ここで「リーダー」という言葉、稲盛経営学では重要な用語です。
「リーダー」とは「私心なく集団を引っ張る指導者」のことを
いうのですね。
「マネージャー」(管理者)とは決して言わないのです。
アメーバ経営の小集団を引っ張るのが、まさに「リーダー」
大事な役回りです。
稲盛氏はそのリーダ研修をやることを提案します。
一日3時間の研修を一か月間に25回。
実はここでも社内だけでなく、産業再生機構からも大反対。
でもここで面白いと思ったのは、JALの社員から
「ではどこのコンサルタントに頼みましょうか?」
とても破たんした企業の方の言葉とは思えないですね。
「稲盛経営学」では、そのリーダー教育は
自分たちでやるものなのですね。
カリキュラムも自分で決め、司会も講師も自分たちでやる・・・。
こうしてようやく2010年6月から、リーダー教育が
始まったのですが、当初はまったく効果はなかったようです。
JALの高学歴の幹部社員に対して、稲盛氏のいう言葉は
どうも「胡散臭く」映ったようです。
稲盛氏の書籍を一度でも読んだ方ならお分かりでしょう。
稲盛氏は決して難しいことをおっしゃてはいないのですね。
「利他の心を大切に」
「ウソをいうな」
「人をだますな」
まさに小学校の道徳の教科書に出てくるようなもの・・・。
「こんな忙しい時に、なんでこんな話を聞かなければならないのか!」
そういって退席する役員も多かったそうです。
齢80歳になろうとする稲盛氏のまさに孤軍奮闘でした・・・。
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