落ちこぼれでも成功できる(ニトリの経営戦記) その5
自殺しそうなくらい落ち込んだ似鳥社長でしたが、
奥さんの一言で立ち直ります。
「あんた、贅沢よ。そんなどうでもいいこと考える暇があったら、
もっと働きなさい!」
なかなかの女傑だったみたいですね。
こんな一言も紹介されていました。
「男の人は、表に出たら七人の敵がいるというから、
七人の女を作りなさい」
参りましたね。ニトリ発展の理由はこの奥さんですかね!?
相前後して、似鳥社長はアメリカ研修旅行に参加します。
この時まだ28歳。この研修セミナーでアメリカの豊かさを実感します。
「やがて日本もアメリカ並みの豊かな国になる・・・。」
そう思ったらしいですが、この時は昭和47年頃。
私も覚えていますが、ちょうどこの頃、
TBSの「寺内貫太郎一家」というドラマがありましたね。
ちゃぶ台で一家全員が食事するという・・・。
欧米のように、絨毯でソファーのような洋家具に囲まれた生活は
まだまだ先のようだった気がします・・・。
それよりこの一言にハッとしました。
「日本の家具メーカーや問屋が川上にいる。川下にいる小売店は、
メーカーや問屋に言われた価格で製品を仕入れ、客に売るだけであった。
しかし、アメリカは、原材料の調達から企画設計まですべて
小売店で一括し、価格を自分たちで決める・・・」
これに似鳥社長は気が付いたのですね。
日本の家具ビジネス、それだけでなく物流に従事している人なら
分かるでしょう。
「上代(じょうだい)、下代(げだい)」という専門用語をご存知でしょうか?
まさにこれなのですね。
例えば、テーブルを例にしましょう。
小売店で10,000円で売られているテーブルは10,000円が上代。
小売店は仮に6,000円で仕入れているなら6,000円が下代。
これはテーブルを作っている家具メーカーや問屋がつけている値段
なのですね。
お客さんはそのテーブルを気に入ろうが気に入らなくても
10,000円でしか買えないのですね。
ただもっと補足すると、(こんなことはこの本にもかいていませんが)
家具メーカーは実は原価は1,000円くらいで作っているのですね。
テーブルの材料の原木の値段なんてたかが知れていますよね。
実際は工場の経費や人件費を加味して、3,000円くらいで
一次問屋に卸しているのですね。
それを二次問屋に4,000円で卸して、さらに三次問屋に5,000円・・・
結局小売店まで到達するまでに6,000円になっている・・・。
これが日本の伝統的な物流の仕組みなのですね・・・。
それに似鳥社長は気が付くのですね。
まさに革命的なお話なのですが、このルールを犯すことは
日本の伝統的なビジネス感覚では絶対タブーのことです・・・。
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