400万企業が哭いている (石塚健司著) その2
誤解のないように、先に書いておきますが、間違っても
「中小企業には粉飾は仕方がないではないではないか。」
とか
「どこでも粉飾やっているのだから・・・」
そう粉飾を擁護する訳ではないですね。
ただこの「粉飾問題」について真面目に考えておきたいのです。
こんなことをブログでアップする税理士は私くらいなのでしょう・・・。
この事件の粉飾の内容については徐々に説明していきますが、
まず、この事件の背景から。
登場人物をよくご理解ください。
懲役2年4カ月もの、実刑判決を受けしまうような
「極悪非道な悪人」なのかどうか・・・。
では、「粉飾コンサルタント」として逮捕された「佐藤真言」氏。
元銀行マンの38歳。
北海道大学法学部卒。
大学2年の時、「小説 日本興業銀行」を読んで、バンカーにあこがれます。
この「日本興業銀行」は読んだことないのですが、
気概溢れた昭和の「バンカー」たちが、企業の立て直しのために
奔走する物語なのだそうです。
卒業時に、「中山素平さん(伝説の元頭取)ように顧客企業や天下国家のことを
思うバンカーになりたい。」と日本興業銀行に応募。
でも面接官は、
「中山さんの頃のように、一人の英雄を生む時代ではない。」
と冷たく言われ不合格。
平成8年4月、それでも「本当のバンカー」にあこがれ
第一勧業銀行(現在の、みずほ銀行)に入行。
最初の3年間は札幌支店に配属。
その後人事異動で、東京の築地支店へ。
この築地支店はまさに問題のところだったようです・・・。
この本は銀行内部のお話が、かなり暴露されていて、これがまた面白い。
バンカー小説第一人者の池井戸潤さんの小説のよう。
この銀行内部の話を知るだけでも有効なのですね。
築地支店は、当時の第一勧銀でナンバーワンの店だったそうです。
行内では「踏絵支店」とまで隠語があったそうな・・・。
つまり、ここで頑張れば出世コースということ。
そういう意味では、非常に優秀だった方です。
このあたり元野村証券の社員としてもすぐピンとくるのですね。
野村証券で言えば、かつての「野村ビル支店」、「梅田支店」のような・・・。
非常に優秀な営業マンが配属されるところでした・・・。
そこの支店長は必ず役員になったはずです・・・。
でも内部事情を分かるものとしては、
「超猛烈」、「スーパーハード」な支店。
「なんだ第一勧銀よ。お前もか・・・」
思わずそう思ってしまいました・・・。
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