起業家(藤田晋著)その5
藤田社長がいう「メディア事業」に執念は燃やしていたものの、
その後ずっと、サイバーエージェントは「迷走」し続けます。
このあたり他の「起業家」の方には参考になりますね。
「お茶の通販サイト」、「並行輸入車の販売サイト」、「宝石の通販サイト」・・・
なんでも手がけます。
大規模な「メディア事業」を立ち上げるというより、
すぐ売上が立ちそうな「お手軽事業」ばかり
とりあえず手を付けていきます。
でも、ネット業界ではここが大事なのですね。
めまぐるしく変わるこの業界の中で、
常に新しいことを手掛けようとする姿勢が必要だと
藤田社長は確信しているからです。
2004年から
「黒字化した利益の30%を新規事業への投資にあてる」
ルールを発表し、さらに新規事業への投資のルール
「CAJJ制度」を作ります。
これは前にご紹介した撤退のルールなのですね。
2004年9月期で、売上は267億円、営業利益が17億円。
目標とする売上300億円、営業利益が30億円には届きませんでした。
そこ頃、脚光を浴びていたのが、ホリエモン率いるライブドア。
売上308億円、営業利益が56億円。
もともとサイバーエージェントの「下請け企業」に
ついに抜かれてしまいます・・・。
彼は焦ったのでしょうね。
しかも彼が目指す、「メディア事業」を先に手掛けていた・・・。
ホリエモンがカネの力で、つまり買収で「ライブドア」を
手に入れたからなのですね。
でもそのホリエモンも、ついに逮捕されてしまう。
これこそ「ライブドア・ショック」
さらに村上ファンド率いる村上氏も逮捕。
サイバーエージェントの株価も暴落し、
ベンチャー冬の時代が、またも到来・・・。
またここでも迷走するのですね。
起業家の苦しみをイヤというほど味わうのです・・・。
投資家からかなり叩かれます。
2004年に始めて黒字化したときも、
「一部グループ企業の貢献で黒字化しただけ・・・」
2005年、2006年の決算も
「ミクシィへの投資の売却益で黒字化しただけ・・・」
2007年の決算でも
「FX事業によって利益を出しているだけ・・・」
最年少上場企業社長として、騒がれ注目されながらも、
やはり彼は「起業家」として叩かれ、苦しみ続け、
それでも成長していくのですね・・・。
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