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2013年5月22日 (水)

起業家(藤田晋著)その2

この本はここ15年間のITビジネスの「歴史書」でもあるのですね。
なぜなら時代の「生き証人」である藤田さんだから。
懐かしい「村上ファンド」や「ホリエモン」などたくさん出てきます・・。

1999年に遡りますが、
サイバーエージェントが設立された直後に、
証券取引所に「マザーズ」という新興証券市場ができたのですね。

「赤字企業でも将来性のある企業なら上場できます」といううたい文句。
政府主導の国家的政策だったのかもしれませんね。

サイバーエージョントは「サイバークリック」というサイト
(その時の下請け企業は当時のオンザエッジ社長の堀江文貴『ホリエモン』)
の成功で、そのうまく波に乗って、「第六番目の企業」として
設立されて、わずか2年しかたっていないのに
しかも本当に赤字企業なのに上場できました。

しかも「トンデモナイ」株価がつき、225億円もの資金調達に成功。
ラッキーだったとしか言いようがないのですね。
まさにバブルだったから・・・。

つまり、まだ市場は「インターネットビジネスが」どういうものか
誰も分かってないのに、「ファッションで」高株価がついてしまった
だけなのですね。
それでITバブル崩壊。
その後低迷にあえぎます・・・。

この本で上場後すぐ、会社をたたもうかとしたリアルな本心も
正直に書かれています。
「最年少社長の上場企業」としてもてはやされたけど
「無力な自分に絶望感をもった・・」
これは本心からそうなのでしょう。

その時助けてくれたのが、楽天の三木谷社長。
10%の自社株を10億円でポンと買ってくれたそうです・・・。

でもこの方はその時以後ずっと自分の経営者としての能力を
懐疑していきます・・・。

このあたり、起業する人には参考にしてほしいのですね。
この点よくいいますが、誰も大学で「経営学をマスターしてから」
起業開業するわけはないのですね。

「経営とは」

ということを、普通は会社を興してから、まさに「OJT」で
学んでいくからなのです。


しかもこの本で書かれていることの中心は
「ビジネスモデルの確立」

サイバークリックという成功で上場できたもので
実はその部門は「赤字を垂れ流していた」メディア事業。
実際に収益を上げていたのは、広告代理店事業。
ここに彼は悩むのですね。

ビジネスモデルが確立できていないのに
上場できてしまったことが問題であったのです・・・。

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