看板のない居酒屋(岡むら浪漫代表 岡村佳明著) その2
「二つの靴屋さんがあった。
一人の男が一軒のお店に入った。
十分くらい見て、何も買わずに出て行った。
店員は思った。
『なんだ、ひやかしかよ』
男は、もう一軒のお店に入った。
十分ぐらい見たあとで、やっぱり何も買わずに出て行った。
店員は思った。
『気に入ってもらえる靴がなくてすみません。
でも、寄ってくださってありがとうございます。』
そして、去っていく男の背に向かって笑顔で言った。
『ありがとうございます!また寄ってください!』
その後、一軒の靴屋は繁盛し、もう一軒はすたれていった。」
これはこの本の巻頭に書いてあった文です。
これだけ読んだだけでも、
この本を読む価値は十分だと思いませんか。
どっちのお店が繁盛していったかはもちろんお分かりですよね。
この「ありがとうの心」こそ岡村氏の経営哲学です。
でも個人的にはすぐ思い出しました。
これは京セラの稲盛会長もおっしゃていた言葉と同じですね。
ずいぶん前にベストセラー「生き方」を取り上げましたが、
さらに売れて100万部も突破しましたね。こちら
この「ありがとうの心」でJALは再生したのです。
この方は子供の時から、母親から
「お客様に感謝しなくちゃね。」
といって育てられたからこそ、身体にしみついているそうです。
たった5席しかない小さな居酒屋を繁盛店に変えた
居酒屋の師匠である「母親」から叩きこまれたのです。
「岡むら」を始めて60年。お手製の漬物を欠かしたことがなく、
必ずお客さんに、
「こんなもんでよかったら、食べて」
と出し、お客さんが来たら必ず、
「おかえり」と声をかけるそうです。
なんだかこれ聞いただけで、こういう居酒屋だったら
毎日でも行きたくなりますよね。
これで「看板のない居酒屋」というタイトルの意味が分かってきましたか?
「宣伝なんてしなくても、看板なんかなくても、
安売りなんかしなくても、ちょっとくらいまずくても、
あんたが好かれる人間になれば回りの人は寄ってくるんだ。」
岡村さんが師匠からもらった、実にいい言葉です・・・。
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