新幹線お掃除の天使たち (遠藤功著) その2
清掃の仕事というと、申し訳ないですが「キツイ キタナイ」
というイメージですね。
それに従事している方々も、仕事の事を世間には内緒にしていたりします。
実はこの「テッセイ」も今から7年も前の平成17年当時は
普通の清掃会社だったのです。
「与えられた仕事はきちんとやるけど、それ以上のことはやらないし、
求められてもいない。」
何より
「自分たちは所詮清掃員という意識がどんよりと蔓延していた。」
会社だったそうです。
こういったら失礼ですが、「言われたことしかやらない従業員」は
日本全国どこの会社にもいますね。
それを社員の意識から変えていったのは
現在専務の矢部氏です。
ここが一番参考になるところです。
では何から変えていったのでしょう・・。
まずこの矢部氏の思いを伝えることからでした。
「テッセイは単なる清掃の会社ではない。トータルサービスの会社だ。」
これを従業員に知らしめることなのです。
しかし、当初「トータルサービス」という意味を、
従業員に分からせることが大変だったそうです。
まず清掃員のことを「コメットさん」と呼び方に変えました。
コメットとは「ほうき星」のことでまさに「ほうき」=清掃ですね。
ただ、私の年代で「コメットさん」というと
「大場久美子」なんですけどね・・・(古い?)
呼び方はよいとして、矢部専務は2年ほどかけて、
じっくり意識改革をしていきます。
社内で「スーパーバイザー」を設置してリーダーを育て、
「車内清掃競技会」を行ってモチベーションを高めるなど
いろいろと苦労しながら改革をしていきます。
人事制度も変えました。
それまで「45歳から58歳でなければ受けられなかった」
正社員採用試験を「20歳以上でパート歴が1年以上」で
受けられるようにしたのです。
「トータルサービス」という漠然とした言い方ではなく、
「さわやか・あんしん・あったか サービス」と変えていきました。
新幹線の利用客は1日に26万人。東京だけでも15万人も利用するそうです。
「思い出というお土産をお客さまにお持ち帰りいただくこと」
つまり単なる「清掃の会社」から「おもてなしの会社」に変わろうと
したのです。
コメットさんが、新幹線のホームで一列になって乗降客に
お辞儀している光景をよくみますね。
まさにそれがその表れなのです。
この意識改革がすごいと思いませんか・・・。
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