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2012年10月 3日 (水)

社会保険料節税策 その6

社会保険料削減策を考える際に
よく保険会社からこんな提案をもらったことはありませんか?

「社会保険削減セミナー」と称してお客さんを呼び込んでいるのは
大概は保険会社がバックにいたりしますから。

今日はそれが本当に「節税なのか?」考えてみましょう。


昨日の例に合わせてご説明してみます。
社長さんが月給60万円として、毎月の社会保険料に
悩んでいるケースです。


「削減策」は
月給40万円にさげて、残りの20万円分を「養老保険」に加入するのです。
ここで「養老保険」ってご存知ですか?

一言でいえば、「保険会社に貯金するような保険」ですね。
何故なら、支払った保険料とほぼ同額の保険料が
満期時に戻ってくるからです。

保険契約者を会社として、(つまり保険料は会社が支払う)
被保険者が社長、保険金・満期金受取人も社長
(つまり社長が死んだら保険金が遺族に、満期金は社長がもらう)
とするのですね。

ここで税法的にどうなるのでしょうか?
会社が社長と、遺族のためだけに保険に入ってやるようなものですから、
社長に「給与課税」されてしまうのですね。
まずここで税法的にはまったく「うまみ」がないと分かるでしょうか?
つまり社長さんは、給料が60万から40万に手取りが減っているに
かかわらず、60万円分の源泉税が取られてしまうのですね。
これはかなわないですね。
しかも住民税も課税されます。


ただこの方策の「ミソ」社会保険料が下がるということなのですね。
つまり、等級60万円から等級40万円に下がるということなのです。

「事業主が保険契約の当事者になっている場合には、
事業主が負担する保険料は報酬に含まれないものとする」
という昭和38年発令の「古い」通達をよりどころにしているからなのです。

ただセミナーで必ず「逃げ口上」があります。
「管轄の年金事務所で確認してください」と。

つまり問題視しているところもあるということなのです・・・。

厚生年金の上限を超えるくらい高額の役員報酬をもらっている方には
有効な策なのかもしれませんが、これは税務的に考えたら得策ではないと
私は思っています。

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