トッカン(特別国税徴収官)が面白い! その6
先週の「相続税の連帯納付」について、もう少し税理士らしく
突っ込みたいところがあります。
やはり遺産分割の内容なのですね。
相続財産が土地建物1億円と現金が3億円の合計4億円でしたね。
それを奥様に土地建物と残りの現金をすべて3人姉妹に
相続させてしまいましたね。
これがやはり問題だと思うのですね。
設定として、遺産分割にもめた結果こうなった
とはなっていましたが。
仲裁に入った弁護士がこうしたらしいのですが、どうも弁護士さんは
税金のことはお構いなしに、ビジネスライクにやってしまいがちですね。
しかもこのケースのように納税であとから苦労することになる・・。
でもこのケースのように現金が多ければ、比較的簡単なはずなのですね。
問題は土地建物が3億円で現金が1億円だったらどうなったでしょうか。
もっと、もめにもめたでしょうね。
ところで「遺産分割協議」はまさに法律行為ですから
弁護士さんの仕事です。
それこそ調停になったり、訴訟にもなりますからね。
でもそうならない場合は、税理士が補助的に分割協議書を
作成することだってあるのですね。
あくまでサービスの一環で。
というのは分割の内容によって税金がまったく異なってくるのですね。
やはり遺族の方々は自分の税金がどうなるのか一番知りたいところでしょう。
ですので、分割案によってそれぞれ税金を計算してあげることがあります。
特に自宅を誰が相続するかでまったく異なってきますから。
これはまさに税理士の仕事でしょうね。
このドラマの場合ではどうすればよかったでしょうか。
「配偶者の税額の軽減」
という特例があるのですね。
考え方としては、夫婦で築き上げた財産なのだから、
配偶者が相続する時は法定相続分(つまり2分の1)までは税金を
かけない制度があるのですね。
(実際は1億6000万までだから通常はまずかかならい)詳しくはこちら
ですので、やはり税金のことを考えたら奥様に半分は相続させれば
税金はもっと減ったはずなのですね。
それとこの奥様のこれからのことが心配ですから。
遺産相続でもめた姉妹は実家から余計遠ざかります。
これではお金もない未亡人はつつましく、
しかも寂しい老後を迎えることになります。
「これで良かったのか・・・。本当に亡くなった主人が望んだことか・・・」
そう後悔しながら暮らすことになるのですね。
家屋の修繕費や固定資産税だってかかります。
老後にはやはりお金は必要なのですね。
あともっと言えば、将来未亡人の面倒をどうするか決めておくことも
大事だと思うのですね。
「お金だけもらってあとは知りません」
ではやはり困るのですね。
遺産分割は単に税金計算だけでない。本当にそう思います・・・。
« トッカン(特別国税徴収官)が面白い! その5 | トップページ | 上質で喜ばれる接客の魔法(櫻澤香著) その1 »
« トッカン(特別国税徴収官)が面白い! その5 | トップページ | 上質で喜ばれる接客の魔法(櫻澤香著) その1 »
コメント