囲碁公開対局 その2
では最初のハイライト。
わずか6手目です。
左上の空き隅に白が小目に打って、黒は一間高がかり。
白はケイマに挟んで黒三々につける。
そのあと白は二間に開き、ここまではまさに最近の定石。
そこになんとつけたところ。
白が5手目までどうもスラスラと打ってくるので、
これは作戦だと気がつきました。
三子局の碁だから、空き隅が問題になるのですね。
白番としては、そこで星など平凡な手や、普通の定石を選択すると
やはり三目の置石のパワーが後々出てきます。
となると、白としては、この空き隅でなんとしても成果を出したいのです。
得意な定石や、研究済みの手を打って、
三目のハンデを二目半か二目まで縮めたいのですね。
これは逆に三目置かせたときに上手が考えることだから
容易に分かるのです。
そこで、この6手目▲の着手。
白は意外だったのでしょう。
会場からは「どよめき」が起こりました。
公開対局ともあって、多少「ショーマンシップ」があったことも
認めますが、こういうところが囲碁の醍醐味なのですね。
お分かりになりますか?
相手の意図を外す手を思い切って打つ。
囲碁の面白さをぜひご理解ください。
34手目までのその後の別れです。(白⑦は4の八)
打っているときは、「まあまあかな」とは思っていましたが
局後の検討では、黒34がヌルイと指摘されました。
左上隅の2の三で根拠をしっかりして生きているのが
良かったのですね。そうするとまだ左側の白に寄りつく
楽しみも残っていました。
検討ではここまでの変化が結構難しかったですね。
黒が白19と打ったところに突き当たる手があったかどうか?
手割でいうと黒12と白13の交換がよくないらしいし、
白も31の押し上げがちょっと良くなかったそう。
まあ、そのうちプロが、私の手をマネて正解図を
作ってくれるでしょう!?
その後左上にかかってきた白に黒❶、❸と押し上げ
先手を取って、❺
ここでも左上隅の2の三が良かったのかもしれません。
でもこの碁は一貫して、黒が左下の模様を大事にします。
打ちたいように打つ。
これがまさに囲碁の醍醐味なのですね・・・。
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