私、社長ではなくなりました。(安田佳生著) その9
またつい悪い癖で「筆を滑らせて」しまいましたね。
安田さんを「極悪非道のAIJの浅川社長と同じだ!」
なんて・・・。
会社を倒産させた罪はやはり重いと思うのですが、
「どうしてワイキューブは破たんしたのか」
これを彼の著作三冊を何度も読み返して考えてみました。
筆には人格が表れるのですね。
そういう意味では悪い人ではなさそうです。
本人いわく「経営者失格」だけだったのでしょうか・・・。
会社の社長さんでよく
「経理のケの字」
も分からない人にお目にかかります。
自分の会社の売上も利益も分からない・・・。
そういう人に会社の決算内容を理解していただくのは
顧問税理士として大変なことです。
営業畑から社長になった方に多いですね。
数字が分からないというより興味がないという方です。
多分安田さんはそういう方だったのではないでしょうか・・・。
でも彼の経営手法は確かに面白いとは思いました。
利益をすべて投資するという発想です。
例えば決算前に1億円の利益が出ている会社があったとします。
顧問税理士として相談を受けると
「社長!税金は4000万でますね・・」
多くの社長は税金を払うことはキライです。
「4000万!なんてもったいない!」
何度そういうことを言われてきたか・・・。
安田さんだったら、企業の福利厚生やブランドのために使うのですね。
1億円で会社にワインセラーやカフェを作り、豪勢な社員旅行を実施する・・・。
こういう経営手法がよいか悪いかを彼は実践したのですね。
でもこれも顧問税理士として
「4000万の税金払っても6000万の資金が会社に残ります。」
これも良く説明します。
毎年1億円の利益を出し続ければ、10年で6億円の資金が会社に残り
会社の財務体質の強化のためには必要なのです・・・。
なかなかそれに納得していただく社長も少ないのですが・・・。
それなら社長の給料がもともと低すぎたのですね。
これもコンサルタントの小山昇さんもよく言っていますが
「社長の給料は社員の10倍とっておかしくない」
これ本当に思います。
社長は社員の100倍責任重いのですから10倍でもおかしくないのです。
事実彼は今回の民事再生と同時に自己破産したそうです。
会社で税金払うくらいなら、社長の給料を増やして蓄財すべきなのですね・・・。
安田さんは、破たんしたとき個人財産500万も持っていなかったそうです。
こうも書いています。
「日本一お金をもっていない社長だ」
何だか愛すべき社長さんだったように感じています・・・。
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