伝える力2(池上彰著) その2
「相手に話の地図を渡す」
この本で繰り返し説明されていることです。
これは役に立つお話だと関心しました。
何かを相手に伝える際に、まず「全体像」を「渡す」ということなのです。
「地図」というのは実にうまい表現だと思うのですが、
まず相手に全体像を理解してもらって、個別の事柄についての関係も
分かってもらうために、まず「地図=関係図」を説明するのですね。
要するに、相手の頭の中に、登場する事柄の「関係図」を
まず作らせてしまうことなのですね。
それから説明すれば確かに分かりやすいのです。
池上氏がやっていた番組で「学べるニュース」がありましたが、
その番組でもまずこの「地図」を説明したのだそうです。
たとえば、大震災の際に、原発問題を取り上げた時、まず
「東京電力、官房長官、原子力安全保安院の立場や役割、関係」
から説明していく・・・。
「なるほどな」
と思いました。
これは使えるお話だと思いましたね。
難しいお話を説明しようとする際に、まず全体像を話す。
そして出てくる単語を分かりやすく説明し、その関係まで最初に解説する・・。
私の例でいえば、よく簿記講習の講師を頼まれるのですが、
「簿記一巡の流れを説明し、登場してくる単語もまず解説する。
それでその関係をよく理解してもらうこと」
それが「地図」かなと思うのです。
それから個別のことを解説していく・・・。
これはいろいろ応用もできますよね。
スピーチでも
「これから・・・ということを説明していきます。」
とまず全体像を話すのですね。
そうすると、相手も
「これから・・ということを話してくれるのだな」
と頭の中の「白紙の地図」に、自分で埋めていくことができますよね。
そうなると、理解度が違ってくるのでしょうね。
ただ、相手のレベルを見抜く力も必要ではないでしょうか。
最初にどこまで詳しく解説するか、その能力まで見極めることも。
池上氏も番組の本番中で、ある「おバカタレント」(失礼!)から
「鎖国って何ですか?」
と急に聞かれて困った話が出ていましたが、
そんなこともあるのですね・・・。
« 伝える力2(池上彰著) その1 | トップページ | 伝える力2(池上彰著) その3 »
コメント