狐狸庵先生とマンボウ先生
既報の通り、作家の北杜夫さんがお亡くなりになりました。
感傷に浸り悲しい思いももちろんありますが、忘れていたあの頃の気持ちが
よみがえったような懐かしい感じもしています。
うまく言い表せないのですが、青春の扉が急に開け放たれ、身体の中に
甘酸っぱい風が吹き渡るような不思議な感じですね・・・。
実は中学生の頃、北杜夫さんの作品を夢中で読んでいました。
北杜夫さんは、ご承知の通り「楡家の人々」など純文学もありましたが、
やはり「どくとるマンボウ」シリーズなどユーモアあふれる本が
多く大好きでした。
「どくとるマンボウ青春記」や「どくとるマンボウ航海記」なんて
中学生のあの頃、わくわくしながら読んだ記憶があります。
また当時、北杜夫さんが「マンボウ先生」として人気作家でしたが
同様に、「狐狸庵先生」として、故遠藤周作さんも人気がありました。
狐狸庵先生も「キリスト教」を題材にした固い本も多かったのですが
マンボウ先生同様、ユーモアあふれる本が多かったですね。
特に、狐狸庵先生の「ぐうたらシリーズ」なんて本当に
好きでした。
まだ中学生の当時、本屋で書籍を買ったことは
ありませんでしたので、図書館でこのお二人の本を
見つけると必ず読んでいました。
たぶん、図書館にあったお二人の本は「全部」読んだと
思います。
考えてみたら、中学生というのは自我が芽生えてくる時期です。
あの頃読んだ本、特に好きになった本というのは、
その後の人格形成に重大な影響を及ぼすのでしょうね。
この両先生のおかげで、私は本が大好きになったし、
ユーモアを理解する心も教えてもらったのですね。
きっと私の文章もこのお二人のユーモアあふれる書きぶりに
少しは影響をうけたのかもしれません・・・。
(大変僭越なことでしょうが・・・)
あの頃のように、「どくとるマンボウ青春記」や「どくとるマンボウ航海記」を
また読んでみようかと思っております。
あれから、40年近く経ってしまって、世の中の見方も変わってしまったかもしれません。
でもあの頃のように、「わくわくしながら」本を読む楽しさも
忘れてはいけないと思います。
マンボウ先生ありがとうございました。
合掌。
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