私の独立開業日記 その25
記帳指導大作戦
まだまだ、大好評「不撓不屈」大作戦も続きます・・・。
税理士の開業と普通の開業とは、少し違いますね。
税理士には公的な「税理士会」という組織があり、
税務署や関連団体から、いろいろ仕事が舞い込んでくるのです。
その仕事に対して「不撓不屈」で立ち向かっていきました・・・。
特に人気の無い仕事に、「個人事業者への記帳指導」という仕事が
ありました。
これは税務署から依頼された開業したばかりの個人事業主に対し
記帳について指導するものですが、集合研修ではなく、
個人宅に一軒一軒足で回らなければならないことから、
まったく人気はありませんでした。
何よりも泥臭い営業の嫌いな税理士のこと、
申し訳ないですが資金的余裕がないから、無料指導を希望する人に対し、
わざわざこちらから出掛けていって、歓迎されもしない記帳の指導など、
嫌がるのもやはり無理はないかもしれませんね。
でも、私はこれを誰よりも必死になってやりました。
一日に30件を本当に回ったこともありました。
地図を片手に割当先を走って回りました。
この件数は、多分税理士会ではギネスブックものでしょう。
真夏の暑い日に、汗だくの税理士が突然やってくるのだから
相手も、必ず驚きます。
でも必死になって指導したら、その場で申告の依頼がきたことも
本当にありました。
実はこれは大変重要なことですが、熱心に指導して、
もし、自力で申告ができると判断されてしまったら、
それこそ税理士は必要とされません。
事業主にとって、如何に税理士が必要であるかを認識させること、
しかもそれが有料であることも理解させなければ
ならなかったのです・・・。
こういう仕事を通じて、開業したばかりの方にどうやって指導したらよいか
本当に身をもって理解することができた訳です。
もっと言えば、事業主が税理士に何を望んでいるか、税理士の役割や
存在意義までも体感することができました。
その生の実体験に基いて、記帳の本をその後、出版できたのですから、
今思えば新米税理士としての良い「研修期間」だったのでしょう・・・。
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