私の独立開業日記 その3
独立の落とし穴
やる気マンマンのAランクの独立でした。
本当に怖いものがありませんでした。
でもここでも非常に重要な落とし穴が待っていたのです。
独立開業を目指す、特に「Aランク」の方のために
ご説明しておきましょう。
その5年前、野村証券を退職し、まさにゼロから勉強をスタートし、
その後会計事務所に勤めながら、
本当に悪戦苦闘の末ようやく手に入れた合格でした。
小さな個人事務所に2人も先生を置いておく余裕はないということを
悟るのにそう時間はかかりませんでした。
「こういう業界なのか。でもまたゼロからスタートすればいいさ。」
もともと独立志向が強かったこともあり、結局文句もいわず
退職することにしました。
「税理士になるために、今までこんなに努力してきたのだ。」
独立開業することに不思議と不安はありませんでした。
「バラ色の人生の扉をついに自ら開け放ったのだ。」
その時は合格の喜びからか、まさに有頂天で自分に取って
怖いものは無かったのかもしれません。
「客はいなくても看板掲げて、いい背広を着て事務所で座っていれば
客は自然に来る。」
そういう話を以前聞いたことがありました。
それは税理士の絶対数が少なく景気のよい頃の昔話かもしれません。
しかし自分でもその時本当にそう考えていたのでしょう。
証券会社に8年もいたせいで、営業で鍛えられた経験から、
顧客開拓に自惚れに近い自信がありましたし、
勤務先の先生より顧客にもっとうまく立ち回れる自信もありました。
何よりも最近の税法や会計学の知識なら負けるはずがない。
長く税理士試験勉強した人なら、皆きっとそう思うでしょう。
しかも当時の事務所の「アナログ・スタイル」に疑問も持っていて
「これからはパソコン中心の新時代が来る」
そんな予感もありました。
「必ずうまくやれる。」
そう信じていました。
しかし、その自惚れが後で予想もしなかった目に
会わされることとなりました・・・。
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