私の独立開業日記 その16
借金の誘惑
ここで本当に失敗をしてしまったのです。
借金をしてしまった・・・。
これがなぜ失敗かお分かりになるでしょうか。
これから独立開業する方、また売上に苦しんで借金をしようとする方の
ために、あえて申し上げる「大事なネタ」です。
売上に苦しんだ私は、思わず税理士会に駆け込んで、無担保で借りられる
100万円の融資を申し込んでしまったのです。
当時は本当に軽い気持ちでした。「一応借りておこうか」くらいの・・・。
しかも「先月100万円の売上があったくらいだからいつでも返せるさ・・・。」
そう思っていましたが、これは経営上の大失敗だったのです。
私も税理士事務所開業以来、多くの方々から借金のご相談を受けました。
こういうことを正直に告白するのも、日本全国の税理士で私だけでしょうか。
でもこんな実体験をしたからこそ説得力があるとさえ思っております・・・。
「レバレッジ経営」という言葉をご存知でしょうか。
経営学のイロハのイ。
最近では本田直之さんの著書で有名なお話ですね。
レバレッジとは「テコ」のことです。
例えば、50万円の仕入で100万円の売上があったとしますね。
まさに私と同じです。
50万円の開業資金で開業月に100万円の売上があった。
差し引き50万円の利益です。
ということはもっと利益を出すには100万円仕入れて200万円売れば
今度は100万円の利益が出る。
誰しも経営者は気がつきますね。
でもその時、肝心な100万円の仕入代金がなかった・・・。
その100万円を借りることができればもっと利益が出せる。
つまり、借金という「テコ」を使って利益を拡大しようという経営学です。
なんとなくお分かりでしょう。
では私のとった行動は何が間違っていたのか。
売上の見込みがまだ立っていないのに借りてしまったことです。
この違いお分かりになりますか。
現在では過小資本で会社が設立できる時代です。
多くの起業開業される方が陥るジレンマです。
利益を生む借金かそうでないか、実は借りる人が一番分かっているのです。
赤字の補填や生活費のためには絶対に借金はしてはならないのです。
もっと分かりやすく言えば、「生きた借金」と「死んだ借金」の違いです。
私は利益がつまり生活費が欲しいから借りてしまったのですね。
今なら私はこういうでしょうね。
私の熱心なブログファンならすぐ思いつくでしょう!?
あのスズキ自動車の会長さんの「売上と利益の違いを力説される」
大事なお言葉です。
「儲けがないなら水でも飲んでおけ!」
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