私の独立開業日記 その12
開業初日
さあ!やる気マンマンの私は9時ちょうどに中野税務署に
乗り込みました。総務課に行って開業届を出しながら
「今日から開業する吉田です!!
よろしくお願いいたします!!」
大声を出したら、総務課全員が目を丸くしていました・・・。
その足で税理士会へもあいさつ回り。
もうそれから走り回りました。
どこへ行っても
「今日から開業です。まっさきに社長のところへ挨拶に来ました。」と。
そんな風に、挨拶状を送りつけた今後可能性のある先を、
アポイントも取らず、いきなり回っていきました。
どうやったら効率よく挨拶回りできるか、前の日から考えていました。
開業初日に名刺一箱100枚配りきった税理士は
多分ギネスもの?でしょう。
しかし、3日も経つともう行くところもありません。
ここで自論の「3日3月1年の法則」
3日目で気づくことも多いものなのですね。
例えば飲食店を開業した人は、1日目はオープンの日で
知人や親戚など訪れる人も多いでしょう。
オープニングセールにつられて来店客も多いでしょう。
そのオープニングセールが終わった3日目からがやはり勝負なのです。
私の方はと言うと、あれだけ開業通知も送ったし、必死のあいさつ回りを
したので多少仕事の依頼の電話がくるかと実は期待していました。
でも1本の電話もない・・・。
正直期待していただけにガッカリしました。「こんなものか・・・」と
でも、その日の夕方に電話がありました。
「開業したばかりで忙しいだろうけど確定申告手伝ってくれないか」
ここで、あの「開設準備室の名刺」が生きました。
簿記学校の合格祝賀会で顔見知り程度の合格者に、思い切って
声をかけて名刺を渡していたのでした。
その翌日に彼の勤務している会計事務所に行くと、
もう仕事がいくらでもあります。
実は税理士会の講師をやるくらいの有名な先生で、確定申告時期は
ほんとうに「猫の手も、新米税理士の手も借りたい」くらいの忙しさです。
私自身仕事どころか、もう行くところさえもないのです。
毎日のように押しかけてお手伝いをしました。
これは正直ありがたかったですね。
これこそ、「独立は協立」なのです。
その後に聞いたお話ですが、その先生は開業したばかりの先生に
声を良くかけるそうです。
きっとご自身もそんな体験をお持ちなのでしょう。
でも本当に感謝しました。それから5年程、先生が特に忙しい確定申告時に
御礼の意味もあってお手伝いさせていただきました。
また相前後して、知り合いの弁護士から数件ご紹介もいただきました。
一生懸命やっていれば、協力してくれる方が必ず現れます。
独立は「独り」だけではできない。本当にそう思います。
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